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香港民主派の周庭氏が出所 インスタで「やせて弱ったので、ゆっくり休んで元気になります(苦笑)」
(2021年6月12日20:00)
香港の民主派活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏(24)が12日午前、刑期を終えて釈放された。周氏は2019年6月の反政府デモをめぐり、無許可集会扇動罪などで禁錮10カ月の実刑判決を受けて収監されていた。釈放された周氏は刑務所前に詰めかけた報道陣に話すことはなく、無言で車に乗り込んだ。その後、自身のインスタグラムにコメントを発表した。
周庭氏は12日夕方にインスタグラムを更新して、真っ黒な画面とともに「苦しみの半年と20日間がようやく終わりました。雨の中、ここまで来てくれた皆さんに感謝します。次は、この間にやせて弱ったので、ゆっくり休んで元気になります(苦笑)」とつづった。民主化運動についての言及はなかった。
周氏は今回の扇動罪とは別に昨年8月に「外国勢力と結託し国家の安全に危害を加えた」として国家安全維持法(国安法)違反の疑いでも逮捕・保釈されており、警察の捜査が続いているという。周氏が以前のような香港政府や中国政府の批判をすれば起訴され、さらに重い実刑判決が下される可能性は高く、自由な発言やSNSでの発信は一層難しくなっているとみられる。
周氏らは昨年6月、犯罪容疑者を中国本土に引き渡すことを可能にする「逃亡犯条例」改正に反対するため警察本部を取り囲んだ大規模デモに参加し、デモ参加者を扇動した罪で8月に逮捕・起訴され保釈された。昨年12月2日、禁錮10か月の実刑判決を受けて即時収監された。同日香港衆志(デモシスト)の元事務局長・黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏(24)には禁錮13か月の実刑判決が言い渡され現在も収監中だ。”民主の女神”といわれ香港の民主化運動のシンボル的存在だった周氏とリーダーの黄氏らに対する強硬な実刑判決に香港内外から批判が高まっていた。
周庭は、皆さんからのご関心及び激励にとても感謝をしています。刑務所での生活に適応しようと努力をしています。
— Agnes Chow 周庭 (@chowtingagnes) February 16, 2021
周庭:「刑務所での生活は心身ともにつらいので、6月に刑務所を出たら、少し身体を休ませたいと思っています」
周庭氏の関係者は2月16 日、周氏のツイッターに「刑務所での生活は心身ともにつらいので、6月に刑務所を出たら、少し身体を休ませたいと思っています」との周氏のコメントを投稿していた。そして「最近の周庭は、読書をしたりラジオを聴き、いつも手紙を読むことを楽しみにしているそうです。「ノルウェイの森」を読み終えたばかりで、引き続き、村上春樹さんと東野圭吾さんの本を読む予定だとのことです」と近況を報告していた。