安倍元首相銃撃事件、「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)が会見「大変重く受け止めている」

(2022年7月11日21:45)

安倍元首相銃撃事件、「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)が会見「大変重く受け止めている」
記者会見する「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)の田中富広会長(NHK NEWS WEBより)

安倍元首相が銃撃されて死亡した事件で逮捕された山上徹也容疑者(41)が「特定の宗教団体に恨みがあった」と供述している問題で、名指しされた「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)の田中富広会長が11日、都内で記者会見して、容疑者は団体に所属した記録はないが、母親が信者であることなどを明らかにした。

山上容疑者はこれまでに、「入信した母親が破産した後も、団体に金を納め続けていたため許せなかった」と供述。「団体トップを狙おうとしたが難しく、安倍氏は(団体と)つながりがあると思った」ので「殺そうと思った」などと話しているという。

NHK NEWS WEBによると、田中会長は「安倍元総理のご逝去の報に接し心からの哀悼の意を表するとともに、ご冥福をお祈りいたします。このたびの蛮行はあってはならない行為で、宗教指導者の1人として大変重く受け止めている」と述べた。そして山上容疑者は信者ではなく、過去に信者だった記録もないと明らかにした。一方、母親は1998年ごろ入会した信者で、2009年ごろから一時姿を見せなくなったが、ここ半年は月に1回程度、教会の行事に参加していたという。
また田中会長は「(母親は経済的に)に母親が経済的に破綻したと聞いている。2002年ごろだったと思う。破綻に至った原因が何だったか、どんな家庭事情で至ったかは掌握しきれていないが、この過程に高額な献金を要求した事実は記録上残っていない」と語った。

山上容疑者が「安倍氏は(団体と)つながりがあると思い狙った」と供述していることについては「友好団体が主催する行事に元総理からメッセージが送られてきたことがある」としたうえで「安倍元総理は世界平和運動に対しては賛意を表明して下さっていた。ただ、われわれの団体の会員として元総理が登録されたことも顧問になられたこともない」と述べた。
そして「教会に対する恨みや、そこから安倍元首相の殺害に至るということは、とても大きな距離があって、私たちもその理解に少し困惑している」と語り「動機の解明に向かって警察に全面協力させていただく」と述べた。

山上容疑者は「岸信介元総理が海外から当時の教祖を招くなどして日本での信仰が広がったと思い、その孫である安倍元総理を殺害しようと考えた」という趣旨の供述もしているというが、田中会長は「岸元総理が何か特別な計らいをしたとか、特別な影響を与えているかということはまず無いと思う」と述べたという。

一方、山上容疑者が犯行に使った私製の銃は鉄パイプを2本並べてガムテープで巻き、それぞれ6個の弾丸が入っていて、1度に6発、2階で計12発の弾丸が発射される散弾銃のような殺傷力の高い銃だったことが判明している。銃はYouTubeで調べて製造し火薬はネットで購入したという。

山で試し撃ちをしたほか前日の早朝4時ごろに奈良市内の同団体の関連施設に試し撃ちしたという。近隣住民が「大きな音がした」「窓ガラスが揺れた」などと話しているという。団体施設の壁などに数か所銃弾痕がありかなりの威力があったことがわかる。この時被害届を提出し警察が動き事件前に山上容疑者にたどりついていたら…はたまた当日の警備はどうだったのか…など様々な問題が取りざたされて波紋は広がっている。