ロサンゼルスの新市長、ハリウッドサインの夜間ライトアップ指令を取り消す

(2022年12 月21日21:30)

ロサンゼルスの新市長、ハリウッドサインの夜間ライトアップ指令を取り消す
ハリウッドサイン(Instagram/@hollywoodsigntrust)

11月に就任した米ロサンゼルスのカレン・バス市長(69)が、前市長のハリウッドサインの夜間ライトアップ指令を取り消したたことが分かった。周辺住民の反対もあったという。

ロサンゼルスの新市長、ハリウッドサインの夜間ライトアップ指令を取り消す
カレン・バス市長(Insutagram/@karenbassla)

米「DEADLINE」によると、エリック・ガルセッティ前市長の最後の行政指導となったハリウッドサインをライトアップするプロジェクトをバス市長が取り消したことを代理人が明らかにした。

ガルセッティ前市長は、任期最終日の12月11日にライトアップの指令に署名していた。市憲章では、行政命令は公表から15日後に発効し、「市長によって修正または取り消されない限り、市のすべての部署、委員会、任命された役員および職員を拘束する」と記されているという。

バス市長のオフィスのザック・シードル氏はシティ・ニュース・サービスに、バスが「命令の合法性に懸念があったため」命令を取り消したことを明らかにした。

前市長の指令は、世界的に有名なハリウッドサインをライトアップする計画だったという。ロサンゼルスタイムズ紙によると、周辺住民の中には、交通や安全、野生動物への影響などを懸念し、看板のライトアップに反対する人もいたという。ガルセッティ前市長の代理人は、同紙へのコメントを拒否した。

ハリウッドサインの看板は、ロス市サンタモニカ丘陵のリー山の一角にあるハリウッドヒルズ地区に設置された有名なランドマーク。1923年に初めて建てられたときには4000個の照明があり夜間でも見ることができた。老朽化して2文字目のOが半分消え、7文字目のOが消えて「HuLLYW_D」と見えるようになり1978年に再建された。来年100歳を迎えるにあたり、前市長がライトアップの復活の指令を発表。近隣住民の懸念に応え、「新しい技術がいかに光を集中させ、野生動物への光と地域住民への周囲の光の影響を減らすのに役立つかを実証した」と主張していた。

ロス市長選は11月8日に投開票が行われ、現職の連邦下院議員カレン・バス氏(民主党)が当選。同市では女性として初、黒人としては2人目の市長。バス氏は同市が長年抱えるホームレスや治安の問題の改善に取り組むことを公約に掲げていた。「ロサンゼルス市民は、今こそ変革の時であり、非常事態に取り組むべき時が来ているという明確なメッセージを送った」との声明を発表した。バス氏は、市長就任後に緊急事態を宣言し、これらホームレスや治安対策ほか、テントや仮設施設などで生活する4万1000人のための住居確保など社会問題解決に最優先で取り組むことを明らかにしていた。