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警視庁、木村花さんをネット上で誹謗中傷した男を侮辱容疑で書類送検へ

(2020年12月16日22:15)

木村花さんを中傷した男が書類送検
(木村花さん=インスタグラムから)

プロレスラーの木村花さん(当時22)が、出演していたフジテレビ系「テラスハウス」の言動をめぐってSNSで誹謗中傷を受けて5月23日に自殺した問題で、警視庁はツイッターで木村さんを誹謗中傷したとして、大阪府の20代の男性を近く侮辱容疑で書類送検する方針を固めたことが分かった。

朝日新聞デジタルによると、警視庁は近く、木村さんをウェブ上で誹謗中傷したとして大阪府箕面市の20代の男=職業不詳=を侮辱容疑で書類送検する方針を固めたという。男は木村さんが亡くなる直前の5月中旬ごろ、匿名でツイッター上に「性格悪いし、生きている価値があるのかね」「いつ死ぬの?」などと、数回にわたって書き込み、木村さんを公然と侮辱した疑いがあるという。男は「番組を見て嫌いになり、心を傷つけたいと思った」などと話しているという。男は今年6月遺族にメールで謝罪していたという。

警視庁は男の書き込みのほかにも、木村さんを中傷するなどの投稿約1200件を確認し、ほかの中傷コメントについても捜査を進めるという。

木村花さんが出演していたフジテレビ系のリアリティ―番組「テラスハウス」をめぐっては、花さんの試合用の衣装を男性の共演者が誤って乾燥機にかけてしまい使えなくしてしまったことで、花さんが同共演者を叱責して帽子をはたいて落とすシーンがNetflixとフジテレビで配信・放送されたことが発端で、花さんへの誹謗中傷がエスカレートした中で花さんが自殺したとみられている。
木村花さんは1997年9月3日生まれ。神奈川県横浜市出身。母親は元女子プロレスラーの木村響子さんで、実父はインドネシア人。2016年3月にWRESTLE-1でプロレスデビュー。2019年にスターダムに入団。プロレスデビュー前はラウンドガールも務めていた。華のある女子プロレスラーとして人気があった。

母親の木村響子さんは、6月に「テラスハウス」で暴力的な女性のように演出されるなど人格権の侵害があったとしてBPO(放送倫理・番組向上機構)に審議を申し立てる書類を提出。NHKのインタビューに、花さんから「撮影前にスタッフから『ビンタぐらいしたらいいじゃん』とあおられた。でも、ビンタはできなくて、苦し紛れに帽子をはたいた。プロレスラーらしくふるまってほしい。1のことを100にして盛り上げてほしいと言われた」と打ち明けられたとして、演出の指示があったのではないかとしている。

BPOは9月16日に木村さんへの人権侵害の疑いがあるとして、同番組の審理入りを決めたと発表した。フジテレビは、出演者との間で、撮影の段取りやスケジュールなどについて出演者が指示に従うことを盛り込んだ誓約書を交わしていたことを明らかにしたが「感情表現をねじ曲げるような指示、無理強いはしていない」と”演出“を否定した。

侮辱容疑で書類送検された男がどう裁かれるのか今後の展開が注目されるが、ある関係者は「ネット上の匿名の悪質な誹謗中傷なくすためにも、略式起訴罰金ではなく正式に起訴して裁判で真相を明らかにするのが望ましい」と指摘した。