元Jr.のカウアン・オカモトさんと橋田康さん、国会で法整備訴える「加害者が怖がるような法律を作るのはすごく大事」

(2023年5月17日12:30)

元Jr.のカウアン・オカモトさんとダンサー橋田康さん、国会で法整備訴える「加害者が怖がるような法律を作るのはすごく大事」
カウアン・オカモトさん㊨と橋田康さん(YouTubeチャンネルのKYODO NEWS/@KyodoNews)

ジャニー氏の性加害疑惑をめぐる問題で16日、元ジャニーズJr.の歌手カウアン・オカモトさん(26)とダンサーで俳優の橋田康さん(37)が16日、国会内で開かれた立憲民主党の「性被害・児童虐待ヒアリング」の会合に出席して「繰り返さないための法整備が必要」と訴えた。

出席したのは4月に実名・顔出しで記者会見してジャニー氏からの性被害を訴え、その後もメディアでこの問題について積極的に発言しているカウアン・オカモトさんと、同様にテレビや週刊誌で被害を訴えた橋田康さん。

オカモトさんはホテルなどで「合計15回から20回ほどジャニーさんから性被害を受けました」と改めて証言。
橋田さんはジャニー氏からの性被害について「合計2回ほどですか、自分にとってはすごく大きな大きなことでありした」と訴えた。
そして、橋田さんは、この問題が現在まで長い間放置されて来たことに対して「何か悪いことがあったとしても目をつぶる。そういうエンターテインメントの社会が出来上がってしまった現れだと思っています」と芸能界の悪しき体質を指摘した。
オカモトさんは「芸能界に限らず、未成年者より立場が上の人に何かを要求されたら拒むのは難し。僕たちの声を聴いてkれて、法律が改正されることを強く望みます」「被害者が怖がるんじゃなくて、加害者が怖がるような法律を作るのはすごく大事だなと思っています」と、2度と同様の被害を起こさないために法改正が必要と訴えた。
橋田氏も「13,14歳の時にそういう被害にあわないよう、まっすぐにエンターテインメントの世界を走れるような場を作り、子供たちを守れるのは大人たち。しっかりした法律を作っていただければ」と訴えた。

立憲民主党は超党派でこの問題に取り組むと姿勢を示し、児童虐待防止法の改正案提出も視野に検討するとしている。さらにはジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子氏にもヒアリングへの出席を要請していくという。

ジャニー氏の性加害疑惑は、1999年に週刊文春が元ジャニーズJr.の証言などに基づいて十数回にわたって疑惑を報じた時にも国会で取り上げられたことがあった。このときにも「ジャニー氏の行為は児童虐待にあたるのではないか」との質問に、関係者が「児童虐待の定義は親または親に代わる保護者などによって行われる虐待」で、ジャニー氏は親ではないので虐待には当たらないなどと答弁していた。今回のヒアリングでもこども家庭庁の関係者が全く同じことを言っていた。23年前と同じ答弁だったのだ。さらに当時は強制わいせつなどに該当しないかとの質問に「一般論としては強制わいせつが成立する」と一般論に終始して、捜査など具体的にどう対応するのかは示されなかった。そして再び被害告発が相次いだのである。同じことが繰り返されてはならないはずだ。

虐待を保護者からの行為と規定した現行の児童虐待防止法については、保護者以外からの行為も虐待と規定する法改正が必要なはずだ。

朝日新聞は16日付朝刊の社説で「ジャニーズ謝罪 これで幕引き許されぬ」とのタイトルで、公式サイトでのジュリー社長の謝罪動画や文書での一方的な回答に苦言を呈して、記者会見を開くことや調査を第三者委に委ねること、さらには経営刷新を具体的な行動で示すことが必要などと指摘して「これで幕引きを図ることは許されない」と断じた。国会ヒアリングでの元ジャニーズJr.2人の訴えや、ファン有志の会の「見解」、そして朝日などのメディアの主張を改めて受けて、ジャニーズが今後どう対応していくのか注目される。