「ソングバード」致死率56%のウイルスが猛威を振るうなかの恋愛とサバイバル劇

(2022年10月4日15:30)

「ソングバード」致死率56%のウイルスが猛威を振るうなかの恋愛とサバイバル劇
「ソングバード」(© 2020 INVISIBLE LARK HOLDCO, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.) 

2024年、到死率56%で全世界の死者数1億1千万を超えるウイルスが猛威を振るい、ごくわずかの免疫がある者を除いて外出禁止令が出て世界がゴーストタウンとなる中、免疫のある配達員の主人公ニコと恋人サラの決死のサバイバルを描いた異色のパンデミック・スリラー。
「バッドボーイズ」シリーズや「トランスフォーマー」シリーズ、「アルマゲドン」(1998年)、「パール・ハーバー」(2001年)などのヒット作の監督を務めたマイケル・ベイが製作を担当、「ハングマン」(2015年)、「悪魔の椅子」(2008年)、「ブラック・ファイル 野心の代償」(2017年)などのアダム・メイソンが監督・脚本を担当した。サイモン・ボーイズが共同脚本。
2020年/アメリカ/英語・スペイン語/84分/原題:SONGBIRD/提供:WOWOW/配給:ポニーキャニオン

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「ソングバード」(© 2020 INVISIBLE LARK HOLDCO, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.) 

■ストーリー

新型コロナウイルス(COVID-19)は序章に過ぎず、強力で致死率56%の恐ろしいウイルスへと変異を繰り返し、4年間ロックダウンが続いて世界が荒廃していた。ウイルスに免疫があり外出が許可されているニコ(KJ・アパ)は、自転車に乗ってロサンゼルスの街を走り配達員をしていた。外出すれば射殺という極限のロックダウン下で、家に隔離されたサラ(ソフィア・カーソン)と恋に落ち、ドア越しやスマホで愛を通わせ、いつか顔を合わせて触れ合うことを夢見ていた。しかし、ウイルスの脅威がさらに増し続け、サラの祖母が感染しサラ自身の感染も疑われ、サラと祖母は「Qゾーン」と呼ばれる施設に徹底隔離されそうになる。ニコはサラを救うために荒廃したロサンゼルスの街をバイクで必死に駆け回る。

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■見どころ

致死率56%のウイルスという設定や、外出すれば射殺という究極のロックダウンでゴーストタウンとなったロサンゼルスの市街、外出を許される免役保持者だけが所持するリストバンド、そのリストバンドの密売人の存在、ウイルス感染者を強制収容する「Qゾーン」などの描写がリアルで、もし実際に起きたらと恐怖を感じさせ身につまされる。免疫を持つ配達員ニコと、家に隔離されて外出できないサラのドア越し、スマホ越しの恋を中心にドラマは展開していく。サラの祖母が感染したため2人とも「Qゾーン」に強制収容されようとする中、救出しようと決死の行動をするニコとサラと祖母を強制収容する当局の攻防がスリリングに展開する。
主人公の配達員ニコを、米人気ドラマシリーズ「リバーデイル」のアーチ―役で人気が出たKJ・アパが熱演。恋人のサラをディズニー・チャンネルの「ディセンダント」シリーズで人気のソフィア・カーソンが好演している。さらにはロサンゼルス公衆衛生局の凶暴な局長役でピーター・ストーメアが存在感を見せているほか、ニコが何度も宅配で訪れる裕福な家の夫人役をデミ・ムーア、その夫ブラッドリー・ウィットフォード、その愛人でソングライターのメイ役のアレクサンドラ・ダダリオ、宅配業者のドローン操作担当の退役軍人役のポール・ウォルター・ハウザーなど個性的な俳優がそろいドラマを盛り上げている。
(10/7(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開)