「FRÉWAKA/フレワカ」アイルランドの地に巣食う現実と虚構が入り混じる禁断のルーツホラー

(2026年2月9日21:00)

「FRÉWAKA/フレワカ」アイルランドの地に巣食う現実と虚構が入り混じる禁断のルーツホラー
「FRÉWAKA/フレワカ」ポスタービジュアル

アイルランドの地に隠されたトラウマの根源(フレワカ)を呼び覚ます禁断のルーツホラー、「FRÉWAKA/フレワカ」が6日から公開になった。

地中でうねうねと絡み合う太い根のように、決して断ち切れない“女性たちの痛み”を描く、アイルランド発のホラー『FRÉWAKA/フレワカ』。どこか神秘的な響きを持つそのタイトルは、現地の言葉「fréamhacha(フレーヴァハ)=“根”」に由来している。

アイルランド語を使用して紡がれる初のホラー作品を手掛けたのは、自身もアイルランドにルーツを持つ新進気鋭の女性監督アシュリン・クラーク。緑豊かな美しい大地の上で受け継がれてきた民間伝承、ケルト神話に宿る“土着の祈り”と“呪い”を見事に現代的解釈で甦らせた。

幼少期からアイルランド語教育を受けた彼女にとって、この言語は亡き父との記憶と深く結びつく存在なのだという。その個人的ルーツを、フォークホラーの文脈に乗せ、アイルランドという国が抱える歴史の暗部と見事に融合させ、従来の英語圏ホラーとは一線を画す、土着の言語と文化に根差した意欲作が完成した。

婚礼の夜に花嫁が突然姿を消して、その半世紀後に看護師が体験するホラー。赤く光る十字架、不穏の影を纏って現れるヤギ、蹄鉄で閉ざされた赤い扉、謎の祝祭。そして半世紀前、婚礼の夜になぜ花嫁は姿を消したのか――。アイルランドの地に巣食う現実と虚構が入り混じる美しくも悍ましい”狂夢”がスクリーンに繰り広げられる。

この作品の背景には、アイルランドの歴史が抱えてきた“闇”が横たわっているという。クラークは、北アイルランド問題や独立戦争、飢饉、そしてマグダレン洗濯所、職業訓練校、組織的児童虐待といった、国家が背負ってきた痛ましい歴史を“今も続くトラウマの連鎖”として表現した。さらに、長年この国が女性を抑圧してきた歴史にも切り込んでいる。そうした負の遺産は、現代アイルランドにおいて、薬物依存やアルコール依存、自殺率の高さなど、メンタルヘルスの問題に姿を変えており、クラークはこの映画でその現実を直視。本作が描く闇は、単なるホラー的恐怖で終わらず、今も続く社会の歪み、現実の恐怖だという。

「FRÉWAKA/フレワカ」アイルランドの地に巣食う現実と虚構が入り混じる禁断のルーツホラー
「FRÉWAKA/フレワカ」場面写真 看護師のシュー(クレア・モネリー)
「FRÉWAKA/フレワカ」アイルランドの地に巣食う現実と虚構が入り混じる禁断のルーツホラー
「FRÉWAKA/フレワカ」アイルランドの地に巣食う現実と虚構が入り混じる禁断のルーツホラー
「FRÉWAKA/フレワカ」アイルランドの地に巣食う現実と虚構が入り混じる禁断のルーツホラー
シュー㊧とペグ(ブリッド・ニー・ニーチテイン)
「FRÉWAKA/フレワカ」アイルランドの地に巣食う現実と虚構が入り混じる禁断のルーツホラー
「FRÉWAKA/フレワカ」アイルランドの地に巣食う現実と虚構が入り混じる禁断のルーツホラー
「FRÉWAKA/フレワカ」アイルランドの地に巣食う現実と虚構が入り混じる禁断のルーツホラー
「FRÉWAKA/フレワカ」アイルランドの地に巣食う現実と虚構が入り混じる禁断のルーツホラー
「FRÉWAKA/フレワカ」アイルランドの地に巣食う現実と虚構が入り混じる禁断のルーツホラー

看護師のシュー役にはダブリン出身の女優で作家のクレア・モネリー。役者としては、ドルイド・シアター・カンパニー、アベイ座などの多くの劇団で活躍し、アイリッシュタイムズ演劇賞に3度ノミネートされた。映像作品では、特にDeadpan Pictures(デッドパン・ピクチャーズ)、RTÉ(アイルランド放送協会)、Sky One(スカイ・ワン)、TG4などの数多くの製作会社と仕事を共にしてきた。
ペグ役は「イニシェリン島の精霊」のブリッド・ニー・ニーチテインで、2021年にアベイ座とCompany SJ(カンパニーSJ)の舞台作品「HAPPY DAYS(Laethanta Sona)」(原題)(サミュエル・ベケット著)に出演し、2022年にアイリッシュタイムズ演劇賞の最優秀女優賞を受賞している。

本作は、「Rotten Tomatoes」で批評家スコア96%(25年12/1時点)と高評価を獲得。世界3大ファンタスティック映画祭のひとつ、第57回シッチェス・カタロニア国際映画祭や第77回ロカルノ国際映画祭など各国の名だたる映画祭でも上映され多くの人を魅了している。

【STORY】
婚礼の夜、花嫁は忽然と姿を消した――。その半世紀後、アイルランドの人里離れた村に住む老婆の介護のため訪れた看護師のシューは、閉ざされた村に漂う“何か”の気配を感じ始める。「ヤツらに気をつけなさい」と怯える老婆、どこからともなく聞こえてくる歌声、蹄鉄に囲まれた赤い扉、藁の被り物をした人々と謎の祝祭、そして掘り起こされていくこの地に伝わる古い記憶。徐々にシューは見えない“恐怖”に吞み込まれていくー。

【クレジット】
『FRÉWAKA/フレワカ』
監督・脚本:アシュリン・クラーク
  キャスト:クレア・モネリー、ブリッド・ニー・ニーチテイン(『イニシェリン島の精霊』)
2024年/アイルランド/103分/カラー/スコープ/5.1ch/日本語字幕:高橋 彩
  配給:ショウゲート
公式サイト https://frewaka.jp/
© Fréwaka Films & Screen Market Research T/A Wildcard 2024. All rights reserved.
2月6日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開中