トランプ米大統領、米国外で製作の映画に100%の関税  「再びアメリカで映画を作りたい!」

(2025年5月6日9:15)

トランプ米大統領、米国外で製作の映画に100%の関税  「再びアメリカで映画を作りたい!」
「スター・ウォーズ」の日(5月4日)にちなんでライトセーバーを持つ写真を投稿したトランプ氏(ホワイトハウスのXより)

トランプ米大統領が4日(現地時間)、自身のSNSで、米国外で製作されたすべての映画に100%の関税をかけると発表して波紋を広げている。

「アメリカの映画産業は急速に死につつある。他国は、映画製作者やスタジオをアメリカから引き離すために、あらゆる優遇策を提供している。ハリウッドをはじめ、アメリカ国内の多くの地域が壊滅的な打撃を受けている」と訴えた。
そして「これは他国による協調的な努力であり、国家安全保障上の脅威である。これは、他のすべてに加えて、メッセージングとプロパガンダである!」と警鐘を鳴らした。
「よって、私は商務省および米国通商代表部に対し、外国で製作され、わが国に輸入されるすべての映画に100%の関税を課すプロセスを直ちに開始する権限を与える」とした上で「私たちは、再びアメリカで映画を作りたいのです!」と訴えた。

トランプ大統領の「アメリカ第一主義」、「MAGA」(Make America Great Agein)のハリウッド版といったところか。
米国以外で製作された映画を対象にして、どのように100%の関税をかけるのかの具体的な方法は明らかにしてなく、今後、商務省や米国通商代表部が検討していくとみられる。

「ハリウッドではイギリスなど国外の撮影所を使って撮影したり、国外でのロケ撮影を行う作品が増えている。スタッフの人件費やスタジオの使用経費の節減のためで、トランプ氏はこれがハリウッドを衰退させている原因として、アメリカ国内で映画製作をという考えのようだ。でもすべて国内でとなると製作費は高くなり、収益源や、それをカバーずるために入場料の高騰を招く可能性もある」(洋画配給会社関係者)との指摘もある。

中国は米国との関税戦争にからんで米国作品の中国国内での公開本数を減らすと発表したが、それに対する対抗措置の意味もあるとみられる。また、昨年は「ゴジラ-0.1」や宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」、アニメ映画の「鬼滅の刃」などの日本映画が米国でヒットしたが、100%関税がかかるとなれば米国の劇場側は上映しにくなる可能性がある。はたしてどんな関税方式になるのか今後の動向が注目される。