木村花さんの母親がフジテレビなどを提訴 1億4000万円の損害賠償請求

(2022年12 月6日20:00)

木村花さんの母親がフジテレビなどを提訴 1億4000万円の損害賠償請求
木村花さん(インスタグラムから)

プロレスラーの木村花さん(当時=22)がフジテレビ系の「テラスハウス」に出演後、誹謗中傷にあい自死した問題で、花さんの母親の木村響子さん(45)が6日、フジテレビと制作会社に約1億4000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

木村花さんは「テラスハウス」に出演した際の言動についてSNSで誹謗中傷にあい2020年5月23日に自ら命を絶った。

響子さん側は、フジテレビ側が途中で出演をやめづらく賠償も伴う拘束力の強い契約を出演者と結んでいたと主張。さらに、番組に台本がないことを宣伝などした結果出演者が批判の標的になりやすかったなどとして、「フジテレビなどが安全に配慮する義務を怠った」と主張している。

都内で記者会見した響子さんは「若い人たちが夢を搾取されるようなことがこれ以上起きてほしくないと思い提訴に踏み切ることをきめました」としたうえで「出演者を使い捨てのような形で、人として扱っていないなとすごく感じた。本当に自分の家族や大事な人が出演していると思ったら同じことはできないと思う」などと非難した。
フジテレビは「訴状が正式に届いていないのでコメントは控えさせていただきます」としている。

響子さんは6日、自身のツイッターで「本日、 フジテレビと制作会社を 提訴致しました 長い間、苦しみ悩みましたが 二度と繰り返してほしくないという想いが強く 闘うことを決めました」と報告した。そして「こちらで真相究明についての署名ができます http://kimurahana.com 花グッズの利益を、裁判費用に充てさせて頂いています」としている。

■木村花さんの「テラハ」事件

フジテレビ系「テラスハウス」は男女6人が同居生活をして繰り広げられる恋愛などを描くリアリティ番組で、フジテレビが制作してNetflixで先行配信され、約1か月後にフジテレビが放送していた。花子さんの事件を受けて番組は打ち切りになった。

Netflixで2020年3月下旬に配信された38話で、同居していた男性が、木村さんの大切な試合用のコスチュームを誤って乾燥機に入れて縮んでしまい、花さんが男性を叱責して帽子をはたいて落とすシーンがNetflixとフジテレビで配信・放送されたことが発端で、花さんへの誹謗中傷がエスカレートした中で花さんが自殺したとみられている。

木村花さんは1997年9月3日生まれ。神奈川県横浜市出身。母親は元女子プロレスラーの木村響子さんで、実父はインドネシア人。2016年3月にWRESTLE-1でプロレスデビュー。2019年にスターダムに入団。プロレスデビュー前はラウンドガールも務めていた。華のある女子プロレスラーとして人気があった。