東山紀之新社長、ジャニー氏の性加害を謝罪し被害者救済補償を表明 「人類史上最も愚かな事件」「人生をかけてこの問題に取り組む覚悟」

(2023年9月7日22:00)

東山紀之新社長、ジャニー氏の性加害を謝罪し被害者救済補償を表明
「人類史上最も愚かな事件」「人生をかけてこの問題に取り組む覚悟」
記者会見する㊧から井ノ原快彦氏、東山紀之氏、藤島ジュリー景子氏、木目田裕弁護士(YouTubeチャンネル「KYODO NEWS」から)

ジャニーズ事務所が7日午後2時から、都内で記者会見して、藤島ジュリー景子社長(57)が辞任し、東山紀之(56)が新社長に就任したことを発表した。そしてジャニー喜多川前社長(2019年、87歳没)の性加害問題を謝罪し、東山社長は「人類史上最も愚かな事件」とも語り、今後の被害者の救済・保証に取り組む事を明らかにした。タレントでジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦氏(47)も同席した。

「再発防止特別チーム」は8月29日、ジャニー氏の性加害を事実認定し、同族会社の弊害が性加害を防止できなかった一因として、ジュリー社長の辞任を提案していた。

■ジュリー氏「ジャニー喜多川に性加害はあった」

特別チームの報告を受けて、ジュリー氏は「ジャニーズ事務所といたしましても、私藤島ジュリー景子個人といたしましても、ジャニー喜多川に性加害はあったと認識しております」と性加害を事実と認め、「被害者の皆様に心よりお詫びします。またファンの皆様、お取引先の皆様、そして今回の件でご不快に思われたすべての方々に心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。そして「特別チーム」の提言を受け、経営任を取り9月5日をもって引責辞任。東山紀之が新社長に就任したことを明らかにした。また白波瀬傑副社長も辞任したことを報告し、「被害者の方々にはジャニーズ事務所として補償を行ってまいります」と明らかにした。
社長は辞任したが被害者に対する補償を責任をもって行うために当面は代表取締役としてとどまるという。「被害者の方々への補償、救済、所属しているタレント、Jr.の皆さんの心のケア以外の業務には関わりません」と述べた。

■東山社長「この事実に真摯に向き合うため、年内をもって表舞台から引退します」

東山社長は「喜多川氏の性加害を認め、ここで謝罪させていた来ます。被害に遭われた方々長きにわたる心身ともにつらい思いをさせたことを本当に申し訳なく思います」と謝罪した。そして「今後この事実に真摯に向き合うため、年内をもって表舞台から引退します。今後は人生をかけてこの問題に取り組んでいく覚悟です」と決意を述べた。また「被害者への誹謗中は今後やめていただきたい」と訴えた。

そして「特別チームの報告書の事実認定と提言を真摯に受け止め、被害者の方々をはじめとする皆様に深くお詫びを申し上げます」と述べ、「被害者の方々への救済、補償を誠心誠意取り組ませていただくことをすべての出発点だと考えております」と語った。

特別チームの報告書で「喜多川氏による性加害が行われていた当時から、役職員の一部は性加害について見て見ぬふりをして何の対策もしなかった」と指摘されたことに「事務所を代表して被害者の皆様に深く深くお詫びを申しあげます」と謝罪した。
被害者の保証については「真摯に向き合って誠実に対応させていただきたい」とした。
新しい事務所を作るための取り組みとして、「外部からチーフコンプライアンスオフィサー(最高コンプライアンス責任者)を招へいして人権侵害防止の体制を整備するなど、二度とこうした問題が起こらないよう徹底した再発防止策を考えています.」とした。またガバナンスの再構築を行うという。
そして「ファンの皆様、一生懸命頑張っている全ての所属タレント、そのために失われた信頼を再び取り戻すべく全力で努めてまいります」と決意を述べた。
「喜多川氏が被害者の方に長きにわたって深い心身の傷を負わせてしまったこと。それで失った信頼を取り戻すのは大変時間がかかると思いますが、私は今後の人生をかけ、命をかけてこの問題に取り組んでいきます。なにとぞ皆さんのご支援を再び賜りたく、出来ましたらこれまで異常に応援していただけたらありがたいと思います」と述べた。 東山社長は「人類史上最も愚かな事件」とも表現してジャニー氏の性加害を非難した。 被害者の補償については、「(特別チームの)提言に従って進める。具体的な金額などはこれから検討していく」(木目田弁護士)という。

■ジュリー氏が代表取締役にとどまることについて

その後、質疑応答となり、ジュリー氏が500億円ともいわれる同事務所の株の100%を保持し、代表取締役としてとどまることについて聞かれ、「いろいろなことを決めていく上で、代表取締役でいて、補償について議論していく立場のほうが事務所の中で良いと判断した」としたうえで、「補償が速やかに進めば代表取締役を降りることは考えている」という。 株については「今の時点で私が100%の株を持っていること、補償についても進めやすいと考えている」という。「ただ今後については同族経営が今回の問題であるとのご指摘を受けているので、どういうふうにしていくのかが一番いいのかは、新経営体制の皆様ともご相談しながら協議していきたい」と述べた。

■ジャニー氏の性加害を防止できなかった問題

半世紀以上の長きにわたって数百人の少年に対して性加害が行われたという史上空前の性加害事件についてジャニーズ事務所が防止できなかった問題と責任について聞かれ、東山社長は「喜多川氏と藤島氏(メリー喜多川氏)が絶対的な存在でありましたし、僕らは正しいと信じていおおりました。今となっては大変恥じておりますが、エンターテイメントの世界で、絶対的な存在ですと、下の者たちはそれを信じ行動していかなきゃならない状況下にある。それが被害の拡大を生んだのではないか。下からの意見を上にあげられない状況、それがいけなかった。やはり健全な世界を作っていかなければいけないと思うので、その役割をこれから考えていきたい」と語った。

そしてジャニー氏も性加害を知っていたのかについては「恥ずかしながら何もできず、なんの行動もしておりませんでした。噂としてはもちろん聞いておりました。私自身は被害を受けたことはなく、受けている現場に立ち会ったこともなく、先輩たちからも後輩たちからも相談もなかったので、噂という認識はありましたけど、自ら行動するということはできずにいた。反省を込めて今後は対応していきたい」と語った。

性加害を認識した時期について、東山社長は「様々な暴露本が出ていましたから、そういう噂があるというのは知っていました。ただ僕らは喜多川氏を信じておりましたから、その暴露本は読んでこなかった。ただいろいろマスメディアの方たちの意見が出ましたし、また一部有罪判決が出ましたり、その辺から認識が深まっていった。ただあくまでも噂だと信じていた」という。「気tがわしとそれを隠ぺいした藤島氏と、そういう状況があるというのは全く気づかず、父のような母のような存在でしたから、あってはほしくないとは思っていました。だたその中で僕らは仕事をしなければならないので、仕事している中でいつしか忘れている。そういうことの繰り返しでした」と明かした。「ただその間も、被害者の方は苦しみ心身ともに不調を訴えている。それはきちっと受け止めなきゃいけないですし、今後それを救済し補償し、ともに携えて行っていくべきだなと思っています」と語った。

■井ノ原社長「得体のしれない触れてはいけない空気があった」

井ノ原社長は「僕は小学校6年生のころにジャニーズ事務所に入りました。その時すでにそういった本が出ていまして、周りの仲間たちも、そうなのかなと噂はしていました。そうなったらどうしようという話もしてました。ただ被害に遭われた方が、相談に乗ってくることができない空気があったと思います。だからこそ被害者の方々が今まで何もできなかった。でも、僕らの関心それをいったんおいて、小学生化中学生ぐらいでしたから、まずはもっと踊りがうまくなりたいtか、デビューしたいという気持ちが強かったと思います。それおかしいんじゃないか、噂聞いたぞといえなかったことは今となっては後悔していますが…言い訳になるかもしれませんが、なにか得体のしれない触れてはいけない空気があった」と振り返った。

■被害者との対話

被害者との対話について東山社長は「被害に遭われた方との対話は必要だと考えとりますし、双方の理解を深めるためにも、意見を交換するという意味でも、会うことは大事」と述べた。ジュリー氏も「被害者の方々当事者の会の方も含めてお話を伺っていきたいと思っております」と語った。

■東山社長のハラスメント・性加害疑惑の証言について

元Jr.の証言などでハラススメント的に「非常に厳しかった」とか「性加害」について言っている人もいるとの質問に、東山社長は「自分は厳しい自分は厳しい方だと思っています。それはエンターテインメントの世界は甘いものではありませんので。特に舞台に立つというのはあり信念と覚悟が必要。そのためにはある力量も必要ですし、努力も必要なので、厳しかったことは多々あると思います。ただその当時ハラスメントだという意識は自分の意識の中ではなかった。僕はデビューは19歳でしてますし、初舞台は20歳か21歳のころで。その頃はつかみ合いになるやり取りみたいのは日常茶飯事でしたし、そういうものだと思っていました。それが舞台をよくするための一つのエネルギーだとと思っていましたので。ただ大人になって振り返りますと、今の時代とはだいぶ差があると思いますので、今後は反省し、そのうえで皆とともに歩んでいきたいと思っています」と語った。
自身の性加害疑惑については「僕はしていません」と否定した。

■ジャニーズ事務所の名前は継続

ジャニーズ事務所の名前を変更することについて、東山社長は「議論はしました。これだけの犯罪ですから、これを引き続き名乗るべきなのか、いろんな解釈がみんなの中にもありました。ただ僕が思ったのは、ジャニーズというのは創業者の名前でもあり、初代のグループでもありますが、何より大事なのは、これまでタレントたちが培ってきたエネルギーとかプライドだと思うので、その一つの表現でもいいのではないかと思っています」と語った。
,br> 名前を変更しないということに会場から「ジャニー氏が数百人の人々を不幸のどん底にお落としてきたなかで、その方の名前を今後も冠詞(頭に乗せる)にするのは非常識ではないか」という指摘もあったが、東山社長は「おっしゃる通りだと思います」としながらも、 「(特別チームの)提言をいただいて、解体的見直しが必要だという意見をいただきまして、それを踏まえたうえで、多雨さんお方が被害に遭ったこともわかっています。僕自身も名前を変え再出発したほうが、もしかしたら正しいのかもしれません。ただ僕らはファンの方に支えられていますから、それをどこまで変更するのがいいのか考えてきました。今後はそういうイメージを払しょくできるようみんなが一丸となって頑張っていくべきという判断を今はしています」という。

■ジュリー氏「皆がそういうことがあって今スターになっているわけではない」

ジュリー氏は「いろいろなことが起きている中でも全く変わらず私どものタレントを応援してくださっているファンの皆様には本当に…」と言って言葉を詰まらせ「感謝の気持ちしかございません」といい、「本当にご理解していただきたいこととしては、皆がそういうこと(性被害)があって今スターになっているわけではなく、一人ずつのタレントが本当に努力して、それぞれの地位を勝ち取っているので、そこだけは失望していただきたくないですし、誤解をしていただきたくないです。安心してこれからも応援してやっていただきたいと心から思います」と訴えた。

今回の発表について「社長交代と補償を行うということしかない」との厳しい指摘もあったが、東山社長は「提言をいただいたのは8月29日だった。そこからの作業で限界もありまして、ただ急ぎまずできることをしなければならない。被害者の方にも会わなければいけないですし、意見を聴かなければいけないですし、その中で何ができのんかを探っているのは事実です。この期間でできることをまずしようということで。本当に大変な事件だと思いますし、人類史上最も愚かな事件だと思います。その道のりは大変長いお思いますが、まずはその一歩を踏み出さないといけないのかなと感じております」と語った。

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