第35回東京国際映画祭、「黒澤明賞」アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督と深田晃司監督

(2022年10月7日19:20)

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第35回東京国際映画祭・黒澤明賞のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督㊧と深田晃司監督

第35回東京国際映画祭(10月24日~11月2日)で14年ぶりに復活した黒澤明賞にアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督(59)と深田晃司監督(42)が決定して7日、発表された。授賞式は29日に都内のホテルで行われる。

東京国際映画祭は日本が世界に誇る故・黒澤明監督の業績を長く後世に伝え、新たな才能を世に送り出していくという趣旨で、世界の映画界に貢献した映画人、そして映画界の未来を託していきたい映画人に贈られる賞として、今年14年ぶりに黒澤明賞を復活させた。過去にはスティーヴン・スピルバーグ監督、山田洋次監督、侯孝賢監督などが受賞している。今年は、山田洋次監督、仲代達矢氏、原田美枝子氏、川本三郎氏、市山尚三東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの5 名の選考委員による選考の結果、受賞者はアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督と深田晃司監督に決定した。

■アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督

メキシコの映画監督。2000年に「アモーレス・ペロス」で長編映画監督デビューし、同作で第53回カンヌ国際映画祭の批評家週間部門、第13回東京国際映画祭でグランプリを受賞、アカデミー外国語映画賞にノミネートされた。さらに「バベル」(2006年)でカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014年)でアカデミー賞作品賞、監督賞などを受賞。「レヴェナント: 蘇えりし者」(2016年)では2年連続でアカデミー賞監督賞を受賞し、主演のレオナルド・ディカプリオが同主演男優賞を受賞するなど精力的に作品を発表し数々の映画賞を獲得。最新作「バルド、偽りの記録と一握りの真実」は、本年度ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に選出され、東京国際映画祭のガラ・セレクション部門で上映されることも決定しており、11月より一部劇場でも公開される。
選考委員からは、デビュー作「アモーレス・ペロス」で世界の目をメキシコ映画に向けさせ、その後アカデミー賞を始めとする多くの賞を受賞しながらも、作品ごとに常に新しい試みに精力的に挑戦している姿勢が評価に値するということで、本年度の受賞が決まった。なお、アレハンドロ監督は東京国際映画祭には2009年に審査委員長を務めており、それ以来の参加となる。

■深田晃司監督

2016年「淵に立つ」が第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞し、同作で2017年には第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞したほか、新型コロナウイルス感染拡大の影響で経営危機に陥るミニシアターが続出したことに対し、同じく映画監督の濱口竜介氏らとともに全国の小規模映画館支援のためのクラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」を立ち上げるなど、若手映画監督としての枠を超えた活動も行っている。最新作の「LOVE LIFE」は9月5日(現地時間)にベネチア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、満場の喝采で迎えられたのは記憶に新しい。今回、選考委員からも作品性が若手映画監督として優れている点や、世界に向けて将来の活躍が期待される日本人監督である点などに加え、映画制作活動以外での精力的な活動についても評価の声が高く、今年度の受賞者として決定した。
黒澤明賞の授賞式は 10 月 29 日に都内で開催される予定。

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