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9月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
(2023年9月11日13:00)
文化放送「上地由真のワンダーユーマン」(月曜午後9時30分)でパーソナリティ―の上地由真と映画ソムリエの東紗友美さん、映画評論家の荒木久文さんの3人が9月のおすすめ映画を紹介して見どころを解説した。同番組では毎週テーマを設け“由真的”テイストで進行。毎月第1週目は「今月のシネマログ」と題し、その月に公開される話題の映画作品を上地由真と映画の専門家2人が紹介する。今回は9月4日の放送で『ジョン・ウィック:コンセクエンス』『こんにちは、母さん』『禁じられた遊び』が紹介された。
上地 上地由真のワンダーユーマン!今週もよろしくお願いします。今日は月に一度の映画をフューチャーする回、題して「今月のシネマログ」。映画ソムリエの「さゆみん」こと東紗友美さん、そして映画評論家の荒木久文さんとお届けしていきます。
よろしくお願いします。
荒木・東 よろしくお願いします。
上地 これから9月ということで映画祭とか増えてくるんじゃないですか?
荒木 そうですね。でも9月ね、意外にホラー映画祭とか多いんですよ。
上地 へえ~。
東 でもまだまだすごく暑いので、ホラー嬉しいですね。
上地 たしかに。
荒木 そうですね。ホラーはね、この時期いいですよ。気絶しているのか寝ちゃったのかよくわからないことになっちゃいますけど。
上地 あはははは!怖すぎて?
東 (笑)
上地 今日は月に一度の映画をフューチャーする回、題して「今月のシネマログ」。9月公開の映画の中から、私、上地由真とさゆみん、そして荒木さんの三人が「これはおすすめ!」と思った作品をご紹介していきます。まずはさゆみんからお願いします。

東 私がご紹介するのは9月22日から公開の『ジョン・ウィック:コンセクエンス』です。キアヌ・リーブスが伝説の殺し屋に扮した大ヒットアクション『ジョン・ウィック』シリーズの第4弾です。
前作で所属していた裏社会の殺し屋組織の掟を破って、組織から追われることになってしまったジョン・ウィック。死を偽装して粛清の包囲網を逃れた彼は、裏社会の頂点に立つ組織・主席連合から自由になるべく立ち上がります。敵対する組織、「主席連合」というのですが、彼らはこれまでジョンを守ってきたニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破し、ジョンが日本の友人シマズに協力を求め、大阪のコンチネンタルホテルに逃げると、ジョンの旧友でもある盲目の暗殺者ケインを、ジョンを殺すために日本に差し向けます。
他の殺し屋も入り混じって凄まじい戦いが始まります・・・というのが大体の大筋のお話になるんですけども。
『ジョン・ウィック』シリーズの第4弾、観ましたが、すごかった!まずですね、前作の4倍となる14のアクションシーンがあるんですよ。本当にアクションシーンがすごくたくさんあって。
上地 あったね~。
東 ね~!もうね、正直ストーリーもしっかりしているんですけど、そんなこともうどうでもいい。このアクションを見るために本当に充実した時間を過ごすことができたんですけど。私がやっぱり推したいのは、日本のアクション、日本での撮影シーン。キアヌ・リーブスって本当に日本が好きで、これまで『ジョン・ウィック』シリーズの時、これまでの3作も必ず来日してくださっているんですよね。でも今回ようやく日本でのアクションシーン、大阪のコンチネンタルホテルが舞台なんですけども、冒頭から大体20分くらいのところで始まるんですけど。チラッと出てくるのかな?と思いきやそこのシーンだけで2、30分・・・?
上地 がっつりあったよね。
東 20分くらいあって。この大阪のアクションシーン、コンチネンタルホテルの、アートワークとかもすごくきれいなんですけど、そこで血みどろの試合があるんですけど、これ50人以上の方が参加していて、なんと1か月かかったらしいんですよ。あのシーンだけで。あそこすごかったなあって思いつつ、どんどんどんどんストーリーが進行するにしたがって見えてくる、引き込まれる裏社会のネットワーク。コインの法則ですとかどんどん面白くなるなあって思いながら2時間半以上の作品ですけど、あっという間で、楽しませていただきました。そしてね、鉛筆、犬、ジョン・ウィックの大好物なものがまた出てきたりするので。キーワードになっているんですけど。ジョン・ウィックファンにはね、犬と鉛筆って・・・いい感じに出てくるので、ファンの方はかなりもうサービス受けられるような作品になっているかなと思いました。お二人いかがです?
上地 いやアクションシーン、もちろんかっこよかったし、あと親友との戦い。
男同士の絆が熱かったですね。良かった、見どころでした。
東 ドラマパートもしっかり作られていましたよね。荒木さん、どうです?
荒木 この『ジョン・ウィック』、最初に出た時、衝撃的だったのがカンフーと銃を組み合わせるガンフーと呼ばれる接近戦の銃撃戦ですよね。これが非常に印象的でびっくりしたんですけども、その後は車とカンフーを合わせたカーフーとかもありましたし。
東 ナイフ―もありましたね(笑)
荒木 ナイフ―もあったね。とにかく接近戦で動きが早くてアクションとしてはもう抜群でしたね。シリーズ全作見なくてもわかるんですけども、1作から3作まで見ておくと、このあたりがよく学習できて第4作も面白く観られると思うんです。
とにかく、アクション映画と言ってもトム・クルーズなんかと違って専門性が高いって言うのかな?なんて言うの、非常にこだわりというかマニアックですよね。
銃にしてもこだわっていますし。僕、銃のことあんまり詳しくないんですけども、非常に有名な銃、ショットガンからライフルまでいろいろ有名な銃が出てきます。それから格闘技ですよね、基本になっているのはロシアの特殊部隊の格闘技だそうです。
東 えっ?!スペツナズ・・・?
荒木 スペツナズの隊員が使う格闘技で、まあロシア生まれの格闘技ですよね。
そこに柔道の投げだとかマウントポジションからグランドパンチをあびせる、ミックスドマーシャルアーツみたいなね。それを全部組み合わせてやっているのね。まあ最強です。
東 最強だ~!
荒木 そうですよね。そういう意味ではですね、非常に作り込まれた面白い、アイテムがね、面白いですよね。そのあたりを見ていただくといいと思うんですけど。もうひとつは服ね。
東 服?へ~・・・。
荒木 この映画では服に弾が当たっても死なないようになっているんですよ。ひとつのお約束。いわゆる防弾機能のあるスーツ。
上地 ああ、そっか!コンチネンタルで仕立てていただいた、かっこいいスーツ。
荒木 ここはフィクションですけども、弾が当たっても死なない、弾を通さないスーツなんですよね。それがあるからアクションが途切れないよね。1回当たったら死んじゃうとそれがない。
東 そっか。そのルールのおかげで。
荒木 そうなんですよ。当たらないことないわけだから。本当にこんな服あるのかなあっと思って調べてみたら、本当にあるらしい。
東・上地 えっ・・・あるんだ~?
荒木 あんなにペラペラ薄くないんですけども、ある程度、ピストルぐらいだったら、遠くから撃たれても・・・。
東 ピストルぐらいだったらって、すごい。
上地 えーっ!どういう人が着るの?
荒木 それはやっぱり戦闘員、兵士ですよね。あそこにも出てきましたけど。軍需産業が作っているそうです。だから全くの空想じゃなくて科学的根拠に裏打ちされたアイテムを使っているということ。だから掘れば掘るほど深い映画ですよね。
監督は、このシリーズ4作全部やっている監督なんですけど、チャド・スタエルスキって言うんですけども・・・。
東 はい。この名前、由真さん、チェキですよ。
上地 チャド?
東 チャド。友達?(笑)違いました?
荒木 この監督、キアヌ・リーブスの代表作の『マトリックス』のスタントマンを務めていた人なんですよ。
東 キアヌ・リーブスのスタントマンをやっていた人が、ね。絆がずっとあって。
荒木 はい。しかもこの人も日本通でアニメなんかも好きだし。だから大阪を舞台にした・・・そんな情報も入ってきていますよね。
東 そうなんだ。大阪行きたくなった。いや、めちゃくちゃ面白かったですね。
ラストもなかなか考えさせられますね。
私、東紗友美がご紹介したのは、9月22日から公開の『ジョン・ウィック:コンセクエンス』でした。
上地 続いては、映画評論家・荒木さんのおすすめ作品です。

荒木 はい。私がご紹介するのは、『こんにちは、母さん』という9月1日から公開中。あの山田洋次監督が作った吉永小百合主演の人情ドラマと言いましょうかね、下町の家族が織りなす人間模様を描いたドラマです。
ストーリーです。
大会社の人事部長・神崎昭夫さん、彼は職場では仕事に神経をすり減らし、家では妻との離婚問題を抱えています。さらに大学生の娘との関係に頭の痛い日々を送っていたんですけど、ある日下町の母が住む実家を久々に訪ねるんです。母は福江さんというんですけども、彼は、母の様子が変わっていることに気がつくんですね。いつも割烹着を着ていて地味にしていたのに、おしゃれなファッションに身を包んでヘアスタイルも若々しく、何やら恋などしている様子なんですね。それを見た昭夫さんは実家にも自分の居場所がないように思えて、疎外感に襲われる・・・というところから始まるお話です。こ
れね、『こんにちは、母さん』という演劇、戯曲を山田監督が映画化した作品なんですけども。これ、90本目の作品なんですね、山田監督。『母べえ』『母と暮らせば』に続く吉永小百合・母もの3部作のラスト作品なんですよ。
母を吉永小百合さん、息子を大泉洋さんが演じて、孫娘を永野芽郁さんがやるというね。
他にも宮藤官九郎だとか寺尾聰さんなんかも出てきていますけども。
この映画ね、いろんな面で話題です。まずは吉永小百合の息子が大泉洋で、その娘が永野芽郁という意外性というかありえないよね、これ。
上地 あはははは!
東 (笑)でも永野芽郁と吉永さんは、なんか隔世遺伝とかありますよ。
荒木 そうなんですよ。これね、大泉さんがおっしゃっていることですけど、その通りありえないというのがひとつ。あと完璧なる隔世遺伝ですよね。こんな見事な隔世遺伝見たことがない。で、吉永さん、これまでになんと123本映画に出ているんですけども、初めておばあちゃん役やったんですって。
東 そう、私これがすごく気になってました。
荒木 で、いきなり大学生の孫のいるおばあちゃんを演じるのですが、お二人ともまだこの作品ご覧になってないですが、吉永さんのイメージはどうですか?由真さんから。
上地 いやもう、タモリさんとか数々の有名人の方が「サユリスト」だと聞いて、美しいな、何歳になっても、なんでこんなに綺麗なんだろう?っていうイメージですね。
荒木 うん、そうですね。相変わらず、お綺麗ですよね。東さんは?
東 永遠の・・・この表現合っているかわからないけど、モテ女性というか永遠のマドンナ。そんなイメージです。だからおばあちゃん役、すごく見てみたいと思っていました。
荒木 そうですね。山田監督、とっても悩んだそうです。ミューズとしての吉永小百合をおばあちゃんにしていいのか?と。さっき話したようにお二人は知らないと思いますけど、吉永小百合の同世代のファンは由真さんが言ったみたいに「サユリスト」と言いますね。タモリさんなんか有名ですが、彼らにとって吉永小百合という大女優が初めておばあちゃん役を演じるっていうのはね、もう事件なんですよ。
東 えっ・・・。
上地 事件なんだ~!?
荒木 ショックなんですよね。密かに引退もささやかれているって言われていますけど、小百合さんご本人はですね、どうなのかな?と。ファンに夢のまま、つまり美しいままフェードアウトしたいんじゃないかな、という考えがあるし。でもとってもお綺麗で透明感とか存在感とかすごいですよね。しわくちゃなおばあちゃん役はやりたくないと思うでしょうし、ファンもずっと美しいまま見ていたいけど、ファンって勝手だから自分の同世代として演じるのにはやっぱりリアリティも欲しいわけですよ。
東 なるほどね。
荒木 そういうジレンマの中にいるっていうのが今の状況ですね。
東 なんか男って面倒くさいね。(笑)
上地 面倒くさいよ。(笑)
荒木 そう、男は面倒くさいからね。若い時、引退してしまえば、原節子のようにね。大スターでいられるかもしれませんけどね。
東 ああ、懐かしい~。
荒木 まあね、日本映画の最大のアイコンですよ、この人、大女優。私たちでさえも吉永小百合を語るときにはちょっと背筋が伸びる、みたいなのありますからね。
東 だんだん姿勢が良くなっていますよね。(笑)
上地 あははは!
東 荒木さんってサユリストですか?
荒木 遅れてきたサユリストかな?小百合さん大好きですよね。
それで僕自身はやっぱり無理やり、割烹着を着てお母さんをやらせるよりも、ちょっと白いスカートかなんかでね、闊歩する素敵なおばあちゃまという感じをこれからもやっていただくといいと思うけど。本人はどうですかね?
あとね、もうひとつ。歳を取っても恋愛というテーマがあるんですよ。
東 いいな、夢がありますね。
上地 ねー!
荒木 吉永さんは劇中、「寺尾(聡)さんに恋をして、本当に生き生きと生きていくんですけどね。歳を取っての恋愛ってすごいことなんですよね、たぶん。やったことないから知らないけど。難しくって、こう贅沢ですよね。情念とか感性とか持っていないとできないし、相手を思いやる気持ちね。だから私なんか恋とかなんかいうと、何言ってんの?この親父、エロ親父とかね。
東 はは・・・(笑)そこまでは言ってない。
荒木 浮気の虫とかね。で、吉永小百合だから許されるんですよ。
東 人生100年時代になってきて、なんか歳を重ねての恋愛ものって、正直・・・。
荒木 日本にはあんまりないね。
やっぱり歳を取ってからの恋愛って必ず世の中あるわけだから。配偶者がいる人だけじゃないからね。そういうものも含めてこれからの・・・。
東 うわあ、観たくなってきた!
荒木 で、さらにもうひとつは、母の恋愛に気づいた息子の立場。
東 うわあ~!なるほどな~。
上地 私たち、女だからさ、別に母が恋しているところ見ても、いいじゃん!って私は思うけど。
東 ね!頑張れ、頑張れ!って感じだけど。
上地 でも男の人からしたら・・・。
荒木 男の人からしたら、勘弁してくれよってことになるんでしょうね。
わかってはいるけど認めたくはないでしょう。
上地 でもやっぱり男の人はお母さん、大好きだからね。
東 大好きだからね!そう。
荒木 そう。おとこはみんなマザコンだからね。
東 やっぱりこういう話を聞いているだけで、観ていないのに山田さんの作品に触れていると人間って、人生ってなんだろう?って考えそうですね。観たい!
荒木 そうですね。松竹の山田監督の人情劇ですから、そんなこと考えると自分たちの未来の姿でもあるので、若い人もね、ぜひ観ていただきたいなというふうに思う今日この頃です。ということで『こんにちは、母さん』という9月1日から公開中の作品でした。

上地 トリは私、上地由真のおすすめ作品です。
私がご紹介するのは、9月8日から公開の『禁じられた遊び』です。
『リング』や『スマホを落としただけなのに』の中田秀夫監督の最新作で、橋本環奈さんと「ジャニーズWEST」の重岡大毅さんがダブル主演を務めることでも話題になっている作品です。
ストーリーです。重岡大毅さん演じる伊原直人はある日、庭でしっぽが切れたトカゲを見つけた息子に「土に埋めて、ある呪文を唱えると、トカゲがまた生きかえってくるんだよ」と冗談半分で教えます。
そんな他愛ない日常が続くと思っていた矢先、事故で妻が亡くなってしまいます。直人の元同僚で現在は映像ディレクターをしている橋本環奈さん演じる倉沢比呂子はニュースで事故のことを知ります。かつて直人との関係を誤解されていたこともあり、気にかかっていた比呂子は葬儀に参列するのですが、これをきっかけに次々と不気味な出来事が起こり始めます。そして伊原の家を訪れた比呂子が見たのは母を生き返らせたい一心で庭の盛り土に向かって謎の呪文を唱える息子の姿でした。比呂子と直人は妻の怨念から逃げることができるのか・・・というお話です。
いや~、怖かったですよね。これぞホラーっていう感じ。でも何が怖かったって、普通の幽霊っていう怖さだけじゃなくて女性の怨念とか生霊とかって、なんか私たちでも身近に起こるんじゃないかっていう怖さ。あと生霊を飛ばす妻の役をファーストサマーウイカさんが演じられていたんですけど、このビジュアルも、もうなんかすごかった!
東 もうバラエティーですよね(笑)そのくらい完璧に怖かった。素晴らしい。
上地 なんか令和の貞子じゃないけど、なんかすご~!と思って。恐ろしかったです。どうでしたか、お二人?
東 なんか幽霊、今回そのファーストサマーウイカさん演じる幽霊がちょっと見たことのない、鋼の錬金術師と貞子のコラボみたいな。ちょっとこんな新しい表現、ホラーでまだできるんだ、という驚きと共に怯えながらも、今由真さんも言っていたけど、なんかこれってホラー映画だけど恋愛映画としての怖さ、独占欲とか嫉妬が一番怖い。
幽霊なんかより怖いんじゃないかっていうところに持っていく話が、これ女子会、盛り上がりそうだな~とか思いながら(笑)怯えながらいろんな多方面からの怖さみたいなのを感じて、私けっこう面白く観ましたけど。
上地 どうですか、荒木さん?
荒木 はい。『禁じられた遊び』っていうとね、我々にとって見ると1952年のフランス映画ですね。ルネ・クレマン、これを思い出すんですね。あのナルシソ・イエペソのギターが有名ですけども。今回は『リング』の中田秀夫さんがね、監督ということで同じタイトルですけど全然関係ないスリラーですけど。出演者も豪華ですよね。橋本環奈さん。
東 素晴らしかった。
荒木 うん。橋本環奈さんああいう瞳が大きいお顔ですから、中田監督が得意なのは顔をアップにして怖さを表現するっていうテクニックにぴったりなんですよ。
東 美少女の顔が歪む感じが、ちょっと楳図かずおっぽさがあって怖いですよね。
荒木 そう、怖がる顔。そうですよね。だからとても映えるんですよね。それからファーストサマーウイカさんが美雪という、これ『リング』の貞子的役ですよね。それをやるんだけど、ビジュアルがすごいね、怖い。血がポタポタ出るようなスリラーじゃないんですけど、本当に迫る怖さみたいな正統的な演出ですよね。さっきから出ていますけども、この映画には二種類の霊が出てきますよね。ひとつは死霊、まあ普通のお化けですよね。死んだ人が化けて出る死霊ね。人を殺してあの世に連れて行こうとするという。だいたいがこれなんですけど。もうひとつは生霊。生きた霊、「いきすだま」とかとも言いますけどね。これは生きている人間の霊が体外に出て動き回るとされている、昔から信じられている生霊、生きている霊。源氏物語の葵上を呪い殺した六条御息所の生霊が有名ですよね。
上地 怖い!
荒木 死霊と同じように祟るんですよ。恨みや嫉妬から他人に憑く。親しい者に会いに行ったりするんですね。今回 美雪さんは貞子より怖くて、生きているうちは生霊になって、死んでからは東さんが言ったみたいに死霊になってモンスターに。
東 どんな成長なんですかね?(笑)すごい怖かった。
上地 もう怖すぎる。恐ろしい!
荒木 本当にね。女の生霊に取り憑かれたら、どうしたらいいんですかね~?
東 お祓い・・・は無理なのかな?
荒木 そうですよね。死んだ人はお寺で祓っていただいたり、神主さんに祓ってもらうけど。ちょっと生霊はあれですかね、女の生きているものだからお金でなんとか解決できませんかね?
上地 お金?もう魂を飛ばさないでください、って?(笑)
東 建設的な話をちょっとすると生霊に憑かれた場合・・・ちょっと珍しい話かもしれないですけど、さよならするんだろうね。
荒木 もう取り殺されるしかないです。
上地 もう絶対変なことしないですから、って謝りまくる?
荒木 まあ冒頭、私、言いましたが、怪獣映画とかサメ映画とかね、ホラー映画とか、めちゃくちゃ見ているんですけど、怪獣もサメもお化けも怖くて、強いんですが、なんと言っても怖いのは・・・あなたたちですよ。
上地・東 あはははは・・・。
荒木 今の話を聞いているとですね、本当にね、どんな映画でも確認できるけど。最近は、なんか言うと、やれセクハラだ、パワハラだ、モラハラだと言われるし。ちょっと怒れば泣くしね。ああ、今は泣かないか?
上地 泣かないよ。
荒木 逆上して、無視されるしね。殺せばお化けで出てこないか?生きていても生霊になるし・・・どうしていいのかわかりません!
東 由真さんがご紹介したのは~?(笑)
上地 え~、私がご紹介したのは(笑)、9月8日から公開の『禁じられた遊び』でした。
上地 9月公開の映画作品の中から、それぞれの推しをご紹介しました。ぜひ映画館でチェックしてください。映画評論家の荒木久文さん、映画ソムリエの東紗友美さん、ありがとうございました!

■上地 由真
オーディションがきっかけで関西を中心に音楽活動開始。2007年シングル「shine day」などをリリース、以降全国各地でライブ活動やイベント参加。最近は女優としても活躍、舞台、映画などのジャンルにも進出。
■東 紗友美
映画ソムリエとしてTV・雑誌・ラジオなどで活動中。趣味は、映画ロケ地巡り。国内外問わず廻り、1年で100箇所以上ロケ地を訪れたことも。インスタグラムでも毎日映画に関する写真やコメントをほぼ毎日掲載中。
■荒木 久文
現在 複数のラジオ番組を中心に、新聞紙面 ニュースWEBなどに映画をテーマとした評論 批評 紹介 などの活動を展開。報知映画賞選考委員 ノミネート委員 日本映画ペンクラブ会員