ジャニーズ事務所、「SMIL-UP.」に社名変更し被害者補償 タレントマネジメントの新会社設立 ジュリー前社長が手紙

(2023年10月2日19:30)

ジャニーズ事務所会見 社名変更
登壇した㊧から山田将之氏、井ノ原快彦副社長、東山紀之社長、木目田裕弁護士(YouTubeチャンネル「KYODO NEWS」より)

ジャニー喜多川氏の性加害問題でジャニーズ事務所の東山紀之社長らが2日、都内で記者会見して、ジャニーズ事務所の社名を「SMIL-UP.」(スマイルアップ)に変更し、タレントマネージメントを行う新会社を設立して社名はファンクラブで公募することや、被害者の救済・補償や再発防止策について明らかにした。

東山社長は、9月7日の記者会見で社名を継続することなどを発表し、批判も多く上がり所属タレントが出演するCMを更新しないなどの動きが広がったことに言及し「いかに自分たちが内向きで、いけなかったのかを感じています。ファンの信頼も大きく失ってしまった」などと反省の弁を述べ、10月17日付で社名を「SMIL-UP.」(スマイルアップ)に変更したうえで、タレントのマネジメント、育成の業務からは撤退して、被害者の補償業務だけを行い、タレントのマネジメントなどを行う新会社を1か月以内に設立すると発表した。新会社の名前はファンの公募で決めるという。
そして「補償・救済を時間がかかっても最後まで全うさせていきたい」と述べた。そして「新しい会社を立ち上げ、ファンの皆様のお力をお借りしながら従来のマネジメント・育成業務をアップデートさせて向上させていきたい」と語った。

設置した被害者救済委員会には478人から申し出があり、そのうち325人が被害を申告して補償を求めているという。補償は11月からスタートするという。東山氏が引き続き代表取締役社長を務め、藤島ジュリー景子前社長は100%株主として取締役にとどまるという。「法を越えた補償を行うには第三者の資本を入れると出来なくなるからです。被害を受けられた方の補償をきちんと最後まで行い、廃業致します」と説明した。 きますよう、どうぞよろしくお願いします。2023年10月2日 藤島ジュリー景子」

■新会社の方針

東山社長は、新会社について「希望するタレント個人や、グループが会社と個別に契約を結ぶエージェント会社」と説明した。「すべてを会社に委ねたり、縛られたりすることなく、タレント自らがその活動の方向性に応じて、自分自身で活躍の場を求めていくことになる」としたうえで「新会社は、彼らとエージェント契約を結び、これまでに培ってきたプロデュース機能やマネージメント機能を活用して、お互いの知恵を出し合いながら、タレント活動を最大限サポーとしていきたい」とした。若いタレントなどはエージェント契約形式ではなくではなく新会社に所属することも可能だという。「これだけ多くのタレントと契約するエージェント会社は日本では初め手のこと」と語った。
新会社は東山が社長で井ノ原が副社長になり、ジきめるという。

■再発防止策と補償

チーフコンプライアンスの山田裕之氏が、再発防止策や補償問題について報告した。 「高い人権意識」を持ち、被害者の補償と再発防止策を実施するという。9月13日付で元裁判官3人が参加する被害者救済委員会を設置しており、窓口には478人から連絡があり、そのうちの325人が補償を求めてるという。11月から補償開始し、補償金額と人数などは適切な時期に発表するとしている。
また外部専門家による「再発防止特別チーム」が8月29日に発表した提言の全ての項目に対応して人権方針の作成と実施を行うという。

■ジュリー景子氏が手紙「ジャニー喜多川の痕跡をこの世から一切なくしたい」

この日の会見に欠席したジュリー景子氏は手紙を託し、井ノ原氏が代読した。

手紙の中でジュリー氏は「このたび、叔父ジャニー喜多川により性被害にあわれた方々に、あらためて心からお詫び申し上げます」と謝罪。「5月2日に被害にあわれた方と初めてお会いしました。その後もいろいろと実際にお話をうかがう中で、この方々にどのように補償をしていくのがいいのか、加害者の親族としてやれることが何なのか、考え続けております。そして、ジャニーズ事務所は名称を変えるだけでなく廃業する方針を決めました。これから私は被害にあわれた方々への補償や心のケアに引き続きしっかり対応させていただきます」と補償を終了したときに廃業すると明らかにした。「叔父ジャニー、母メリーが作ったものを閉じて行くことが加害者の親族として私ができる償いなのだと思っております」と説明した。

そして「私は4年前に母親であるメリーから、ジャニーズ事務所を相続しました。ジャニーズ事務所はジャニーだけではなく、私の母であるメリーも権力を握っていたと思います。ジャニーはメリーからお小遣いをもらうという形でしたので、経営的なことはすべてメリーが決めていたと思います。ジャニーと私は生まれてから一度も二人だけで食事をしたことはありません。会えば普通に話をしていましたが、深い話をする関係ではありませんでした。ジャニーが裁判で負けた時も、めりから『ジャニーズは無実だからこちらから裁判を起こした。もしも有罪なら私たちから騒ぎ立てるはずがない。本人も最後まで無実だと言い切っている。負けてしまったのは弁護士のせいと聞かされておりました。当時メリーの下で働いていた人たちも同じような内容を聞かされていて、それを信じていたと思います。そんなはずはないだろうと思われるかもしれませんが、ジャニーがある種天才的に魅力的であり、皆が洗脳されていたのかもしれません。私も含め、いい面を信じたかったのだと思います」と明かした。
「そして母メリーは、私が従順な時はとてもやさしいのですが、私が少しでも彼女と違う意見を言うと気が狂ったように怒り、叩き潰すようなことを平気でする人でした。20代の時から私は時々過呼吸になり倒れてしまうようになりました。当時病名はなかったのですが、今ではパニック障害と診断されております。私はそんなメリーからの命令で、ジャニーズ事務所の取締役にされていましたが、事実上私には経営に関する権限はありませんでした。そして2008年春から新社屋が完成した2918年まで、一度もジャニーズ事務所のオフィスには足を踏み入れておりません。これは性加害とは全く違う話で、私が事務所の改革をしようとしたりタレントや社員の環境を整えようとしたことで、2人を怒らせてしまったことが発端です。ジャニーとも2008年ごろから2016年ごろまで、ライブ会場ですれ違うことが会っても会話はしておりませんでした。その後ジャニーのけいこ場に呼び出されて久しぶりに話しましたが、それ以降もジャニー本人に会ったのは数回です。その期間のジュニアからのデビューや、管轄外のグループの解散のプロセスにも関わって降りません。メリーからは私の娘である孫に会いたいと切望され1年に数回一緒に食事をすることや、お正月には孫と旅行することを決められておりましたが、私自身はメリーと話をすることを極力避けて生きてきた人生でした。このような説明をすると嘘だとか、親子で仲が良いところを見たことがあるなどバッシングされる記事が大量に流れるのだと思いますが、近い関係者の皆様、タレントの方々、社員などであれば、こうした事情を知っていると思います。心療内科の先生に、メリーさんはライオンであなたはシマ馬だからパニック障害を起こさないようにするには、この状態から逃げるしかないといわれ、自分で小さな会社を立ち上げ、そこの慕って呉れるグルプが何組か集まってくれて、メリー。ジャニーとは全き関わることがなく長年仕事をしておりました。このような理由で、ジャニーがいるけいこ場とは全く違う場所で働いており、ジュニアの皆さんとの接点もなかったので、今回申し出てくださった方に私がお会いしたことがあるのは9人で、それ以外の多くの方々とはお会いしたことがないのです。今から思えばジャニーの親族であり、女性である私にジュニアの皆さんはもちろんのこと、タレントの皆さんもうわさ話をすることや、相談もしにくかったのではないかと思います。今被害を申告されている方々の中で私も含めて現在の役員が、被害者の方々について直接知る状況は座お席していたかどうか以外に、ほぼございません。そこでジャニーやジュニアと私以上に近距離で接していらした元役員、元社員、そして外部スタッフの皆様には被害者救済のご協力をぜひお願いできたらと思っております」とメリー氏との確執などについて初めて言及した。

「ジャニーズ事務所は廃業に向かっておりますが、一人たりとも被害者を漏らすことなくケアしていきたいと思っております。知らなかったということを言い訳にするつもりは全くありません。メリーが言うことを信じてしまっていたことや、そしてそれを放置してきた自分の鈍感さ、すべて私の責任です」という。

「また今回なぜ私が100%の株主で残るのかと多くの方々から批判されました。実は多くのファンドの方々や事業の方々から、私個人に有利な条件で売種のお話もたくさんいただいております。そのお金で相続税をお支払いし、株主としていなくなるのが補償責任もなくなり一番楽な道だと何度も何度も多くの専門家の方々からアドバイスされました。しかし100%株主として残る決心をしたのは、他の方々が株主として入られた場合、被害者の方々に法を越えた救済が事実上できなくなると伺ったからでした。そういう理由で現在の会社には株主100%として残りますが、チーフコンプライアンスオフィサーとを外部から招へいし、今後私は補償とタレントの心のケアに専念し、それ以外の業務には一切当たりません」と説明した。

「また、今後は私は全ての関係会社からも代表取締役を降ります。また、ジャニーとメリーから相続をした時、ジャニーズ事務所を維持するためには事業承継税制を活用しましたが、私は代表権を返上することでこれをやめて、速やかに納めるべき税金を全てお支払いし、会社を終わらせます。ジャニーズ事務所を廃業することが、私が加害者の親族としてやりきらねばならないことなのだと思っております。ジャニー喜多川の痕跡をこの世から一切なくしたいと思います」とつづった。

そして「最後にジャニーズ 事務所に所属したタレント、これまで応援してくださった世界中のファンの方々の気持ちを考えると、本当に本当に申し訳なく、言葉にもなりません。また関係各所の皆様、ご迷惑ご心配をおかけして大変申し訳ございません。今日記者会見に出席せずこのようなお手紙を出すことで、逃げた卑怯だといわれるのは重々承知です。今回初めて公にお話ししたメリーは、本当にひどい面も多くあったのですが、優しい時もあり自分の母でもあり、皆様の前でお話ししたいことを、過呼吸にならずにお伝えできる自信がなく、このようなお手紙にさせていただきました。誠に申し訳ございません。改めて被害者の皆様、ジャニーのしたことを、私も許すことができません。心から申し訳ないと思っております。またタレント、社員の皆さんがこれから新しい道で思いっきり羽ばたき、みんなが幸せになれるよう、私はそれを後押しできるような形になるよう精いっぱい頑張っていきたと思っています。どうか引き続きご指導ご鞭撻いただきますよう、どうぞよろしくお願いします」と締めくくった。

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