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10月のおすすめ映画 文化放送「上地由真のワンダーユーマン」推薦
(2023年10月13日10:15)
文化放送「上地由真のワンダーユーマン」(月曜午後9時30分)でパーソナリティ―の上地由真と映画ソムリエの東紗友美さん、映画評論家の荒木久文さんの3人が10月のおすすめ映画を紹介して見どころを解説した。
同番組では毎週テーマを設け“由真的”テイストで進行。毎月第1週目は「今月のシネマログ」と題し、その月に公開される話題の映画作品を上地由真と映画の専門家2人が紹介する。今回は10月2日の放送で『SISU/シス 不死身の男』『アンダーカレント』『シック・オブ・マイセルフ』が紹介された。
上地 上地由真のワンダーユーマン!今週もよろしくお願いします。
今日は月に一度の映画をフューチャーする回、題して「今月のシネマログ」。
映画ソムリエの「さゆみん」こと東紗友美さん、映画評論家の荒木久文さんとお届けしていきます。よろしくお願いします!
荒木・東 よろしくお願いします!
上地 10月公開の映画の中から、私、上地由真とさゆみん、荒木さんの三人が「これはおすすめ!」と思った作品をご紹介していきます。まずさゆみんからお願いします。

東 はい。私がご紹介するのは10月27日から公開の『SISU/シス 不死身の男』です。
1944年、第二次世界大戦末期、ソ連に侵攻されナチスドイツに国土を焼き尽くされたフィンランドが舞台です。
老兵のアアタミ・コルピは掘り当てた金塊を隠し持ち、愛犬と共に凍てつく荒野を歩いていました。やがて彼はナチスの戦車隊に遭遇し、金塊と命を狙われるが、実はアアタミはかつて精鋭部隊として名を馳せた伝説の兵士でした。
アアタミは使い古したツルハシ1本と不屈の精神、これが「SISU(シス)」っていうのですが、これを武器に次々と敵を血祭りにあげていきます。
彼の命は?そして彼の金塊は無事なのか?そして戦いの行く末は?・・・というお話なんですけども、ちょっとこれは大事件。ロッテントマトでも98%、ロッテントマトというアメリカの評価サイトなんですけど、参考にされている方が多いサイトですけど。そこでも非常に高評価です。
『ランボー』『ジョン・ウィック』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』といった名作をごった煮にしたような、映画ファンがとにかく大好きなやつですね。時間も91分なんですけど、もうパッと観られるんですけど、本当に「映画観たな~」っていう感覚にさせられる作品でございました。とにかく観てほしいのが主演のヨルマ・トンミラさんという方、1959年でおじいちゃんという年齢になっていくと思うんですけど、とにかく強い。
めちゃかっこいいんですよ。地上戦、空中戦、水中戦、とにかくとにかく彼は死にません。私、「SISU(シス)」っていう言葉、正直今年の流行語大賞にしたいんですけど。
知らなかったんですけどフィンランドの言葉で、日本語への正確な翻訳が難しい言葉らしいんですよ。なんとなく言うと、すべての希望が失われた時に現れる不屈の精神のような意味合いを持つ。これ配給会社さんがすごいなと思ったのが、翻訳不可能な言葉を日本語タイトルに採用、もうすごいチャレンジングだなと思いながら、これすらもシス魂のおかげで採用なんじゃやないかなって思って観ましたね。どうでした?
上地 もう本当に死なないんですよね(笑)本当に不死身。これはさすがに…いやいやいや…とか思ったシーンとかもあったよ。けどやっぱり生きている、うわっ、すごい!本当にSISU魂、あきらめない心。本当に普通に痛快だし、観ていて何も考えないで楽しめる映画!本当に。面白かったです。
東 わかります。(笑)
荒木 本当にウソだろ?!とツッコミ続けていたんだけど、死なない。
こういう映画は得てして、ちょっとコメディになっちゃうんですよね。だけど主人公の
アアタミの佇まいというか、一言もしゃべんなかったでしょ。化け物みたいな不死身なんだけど、この人の佇まいがコメディにしないんだよね。このヨルマ・トンミラさんていう人は65歳くらいなんですけど体としてはがっちりしていて。ラジオ聞いている皆さんに、誰に似ているって・・・ちょっと思い浮かばないんですけど、僕自身は遠藤憲一さんをうんとごつくして、ちょっと顎しゃくれ系の顔なんだよね。それでもっと頑丈にした感じ?
東 岩みたいな屈強さが…あります。
荒木 岩みたいだよね。
東 どすっ、としています。
荒木 まあね、よぼよぼだけどね、強いんだよね。さっき東さんの方からも言ったけど、フィンランドの映画ですよね。よく見るとね、決してお金かけてないんだよね。
ドイツ兵もよく見るとゲルマン系じゃないんだよね。ほとんどフィンランドの俳優がやっていますね。そしてフィンランドっていう国はね、戦争漬けの国なんですよね。
東 それがピンときてなかったので、勉強不足で。世界一幸せな国とか、カラフルな家具のある北欧の…みたいなイメージだったんですけど、そうなんですよね。
荒木 そうなんですよね。1917年、ロシアから独立しての国内戦から始まって、ナチス、ソ連との戦い…ずっと戦争してきた国なんだよね。でも決してあきらめることなく国の独立を守り抜いている、っていう国ですよね。シスっていうのはSISUと書き、さっき東さんが説明してくれた、ちょっと日本語には訳せないんですけども、日本語であえて言おうとすると強い大和魂とかね。それぞれの国にあるでしょ?ジョンブル魂とかゲルマン魂とか。
東 なるほどね~。
荒木 その国が持っている精神性を強く打ち出す、そういう言葉ですよね。
東 シス持っていますか?って、聞きたくなっちゃいます、出会う人に。シスあります?って。すごいすばらしい言葉。
荒木 そうですよね。そういうものはね、危機的な状況にならないと出ないっていうことの前提はあるんですけども。ああいう昔から男女がそんなに差別がない国で非常に対等な立場でやっている。映画にも出てきますよね、最後、女の人たちが銃を持って戦いに出るっていう。そういう世界一幸せな国だけど、そういった裏打ちされたものの中でこの映画が出てきているんだな、って。でもあんまり理屈じゃなくて不死身のおじいちゃんが大暴れで、細かいことは考えずに由真さんが言ったみたいにですね、頭空っぽにして楽しむ。ツッコミながらね。そりゃ、ねえだろ!もう死ぬだろ!?と言いながら観るのが面白い映画です。
上地 そうそうそう!(笑)
東 面白いので、ぜひ観てみてください。私がご紹介したのは10月27日から公開の『『SISU/シス 不死身の男』でした。
上地 続いては、映画評論家・荒木さんのおすすめ作品です。

荒木 はい。私が紹介するのは、10月6日公開の『アンダーカレント』という作品です。
アンダーカレントという意味は川などの表面の水が下にある底の流れですね。つまり目には見えないもう一つの流れといった、そんな意味でしょうかね。
まずストーリーです。主人公はかなえさん、真木よう子さんが演じていますよね。
彼女は実家が銭湯、お風呂なんですが、永山瑛太さんが演じる夫と共にその銭湯を継いで平凡だったけれど平穏な日々を送っていたんですね。しかし突然夫が失踪、行方不明になってしまいます。しばらく途方に暮れて何も手につかなかったかなえさんでしたが、なんとか奮起して休業していた銭湯を再開させます。そんな数日後、謎めいた男・堀さんというのですが、これは井浦新さんがやっているんですね、この人がこちらで働きたいとやって来て、その日から住み込みで働くことになるんですね、銭湯で。そしてこの堀という男とかなえさんの不思議な共同生活が始まる、というお話なんですが。一方かなえさんは中年の探偵と夫を探すこととします。夫を探しながらそんなことがありながらも日常を取り戻しつつあったかなえさんだったのですが、あることをきっかけにいなくなった夫、従業員の堀、そしてかなえさん自身が閉ざしていた心の奥にあるもの、いわゆるアンダーカレントが浮かび上がってくる、と。その先に訪れるものは何だったんでしょう?・・・というお話ですね。
監督は『愛がなんだ』の今泉力哉監督ですね。真木よう子さんと初の組み合わせということで、音楽は細野晴臣さんということで話題ですね。今泉監督というと、由真さん大ファンでしたよね?
上地 はい、私大好きで。今泉監督といえばもう、一筋縄ではいかない男女のリアルな会話劇が好きなんですけど。
荒木 今回どうでした?
上地 今回ちょっと想像と違ったというか。今までと、あれ?ちょっと違ったな・・・っていうふうに思いました。
荒木 ああ、そうですよね。まあ今まではね、片思いとか恋の駆け引きとか、そういったテーマのオリジナルの作品が多かったんですけども。まあどっちかというとミニシアター系の人たちがちょっとクスッと笑えるようなものが多かったんですけど。今回はミステリー要素やサスペンスなんかもあって、シリアスというよりもね、由真さんのように今までのように今泉節を観たい!という人にはちょっと戸惑う…。
上地 ちょっと戸惑いました。
荒木 そうですよね。でもね、逆にこういったものも撮れるのかっていう、新しい地平というかね、ネクストステージみたいなものもあって。やっぱり監督の作風の変化というか、こういう方向に進むんだろうなと思いました…というのはミニシアターから出てきた人、大きな作品に移行しつつある過渡期かなというふうに思うんですよ。
業界的にも商業的にもこういう監督はさらに大きい興行収入を求められるというかね。
マーケットを取り込める作品を求められていくので、自分の個性を残しながらもひとつの転換期というか、勝負期に入っているんじゃないかなと、思っているんですよね。
第一線にいる監督、みんなこういうことを経験していますからね。だから受け入れられるかどうかは別にして、監督の作風の変化っていうふうに見ると面白い作品かなと思います。そして出演している役者さんですが、すごいですよね、東さん。
東 はい。もう真木さんのお芝居がすてきなのはもちろんのこと、私が注目してほしいのが井浦新さん。9月『福田村事件』、10月『アンダーカレント』、11月『人生に詰んだ元アイドルは赤の他人のおっさんと住む選択をした』(『つんドル』)、と3か月続いているんですけども、井浦さんのいろんなお芝居の差がこの3か月で見られて、私は役者さんてすごいなと特に感じられる時期を体験させていただきましたし、あと井浦さんの人との距離の取り方みたいなお芝居がすごくて。これも真木さん演じる、かなえとの不思議な共同生活の話なんですけど、『つんドル』も同じで。これは元アイドルの女性が人生に詰んで、赤の他人のおっさんと暮らすことにしたっていう作品で、その赤の他人のおっさんを演じるのが井浦新さんだったりして、これに馴染む何かを持っている井浦新さんという存在、ますます興味深くなりました。ぜひ映画ファンでお芝居を特に注目されたいという方はその芝居の『アンダーカレント』と『つんドル』の差なんかを見ていただいても面白いんじゃないかなと思います。
荒木 なるほどね。真木よう子さん、どっちかというと一途とか、強いというイメージが多いと思うんですけども、今泉監督の力の抜けたちょっとボーっとしたところを
どういうふうにするかなと思っていましたけど、なかなか上手くやっていましたよね。
あと江口のりこさんだとか、なんといっても面白いのはリリー・フランキーさんだとかね。個性の強い人。それから康すおんさんなんかもね。ちょっと江戸っ子のじいちゃんで、非常に面白い、いい味出していますよね。
東 でも本当に今回今泉さん、ある種のサスペンスみたいなものを撮られていますけど、自分のことなんてわからないな、って思う作品でしたね。
荒木 この映画の大きなテーマは人間をわかるとか人を理解する、というテーマなんですけども…。
上地・東 難しい…。
東 自分も人もわからない。
荒木 つまり人には誰も表面と違うアンダーカレントがあって、それはいくら時間がかかっても理解出来ないかもしれないですよね。夫婦でもね、家族でも一緒にいても。由真さんとは10年近い付き合いですし、東さんとは15年以上付き合っていますけど。前から知っていますけど、アンダーカレントさっぱりわかりませんね、お互い。
上地 たしかにわからないね、荒木さん。
荒木 僕はもうアンダーカレントないから、表面…。
上地 荒木さんはめっちゃいつも下ネタばっかり言っているけど、実は言いたくなくても無理矢理言っているかもしれない…。
東 それはない!それはないよ、由真さん。言いたくて言っているよ。(笑)
上地 言いたくて言っているかな?わかんない、本当のところは。(笑)
荒木 僕は千曲川のようにですね、アンダーが…(笑)もう7層ぐらいありますかね、アンダーカレント。
東 本当にそんなに…繊細か?
上地 あははは!
東 でもなんかそういうふうに考えると、自分のことも他人のこともわからない、何なんだろうって考える作品だから、これは私たちみんなの映画なんでしょうね。
荒木 そうですね。人を理解することと、他人と生きていくこと、それからその難しさですよね。そういうものが曖昧性も含めてよく表れている作品だと思いましたね。
『アンダーカレント』という10月6日公開の作品です。

上地 トリは私、上地由真のおすすめ作品です。私がご紹介するのは10月13日から公開の『シック・オブ・マイセルフ』です。
「最狂の承認欲求モンスター誕生」というきついこのキャッチコピーのとおり、強烈な自己愛の行き着く先をシニカルに描いたノルウェーの映画です。
ストーリーです。カフェで働く主人公のシグネは何者にもなれない自分にもやもやとした思いを抱え、人生に行き詰まっていました。そんな時、一緒に暮らす恋人のトーマスがアーティストとして脚光を浴び、激しい嫉妬と焦燥感に駆られ、トーマスや周囲の関心を引くためにある違法薬物に手を出します。薬の副作用で皮膚はただれて痛々しい姿になったシグネですが、恋人からも周囲からも注目される特別な自分を手に入れたことで心が満たされていくんです。しかしその欲望はさらにエスカレートし、謎の皮膚病に冒されても前向きに生きる女性として取材を受けモデルに挑戦しようとするのですが、しだいに体にも異変が起き…というお話で、もう本当にね、承認欲求と行き過ぎた自己愛、ゾンビより怖いホラー映画!
荒木・東 あっはっはっは!
東 今年いちばん、怖いんじゃないかっていうぐらい。
上地 本当に恐ろしくて、正直全然笑えない怖さでしたね。というのも、このSNSが身近になった時代、大なり小なり・・・可愛く見られたいだとか思うじゃない?
自分も含め。だからここまで彼女みたいに極端ではないけれど、こういう子、いるいる、周りに!っていう…恐ろしかったですし。本当に現代らしい物語だなっていうふうに思いました。どうでしたか?
東 もうこれは本当に怖い映画だったんですけど、ちょっと映画の印象としては、もうポスターがめちゃくちゃ可愛いんですよ!
上地 私 それにだまされたよ、さゆみん。(笑)
東 あははは!そう、本当に可愛くて、タイプとしては『バービー』。8月公開でものすごく話題になった、世界的には記録的ヒットを飛ばした『バービー』と同様に裏を返せばちょっと社会派映画というか社会の問題、今だったらSNS社会の問題に鋭くメスを入れた甘い猛毒みたいなテイストの映画だなっていうふうに私は思いました。
ここまでやる?皮膚もただれていくんですけどね。そのただれ方もちゃんとホラー。
上地 すごいですよね。
東 生々しいですよね。ドロドロと肌がやられていくんですけど、ここまでする必要があるのか?って思いながら観ていたんですけど、もう我々SNSをやっていない人がいない現代、ちょっとずつのマヒでおかしくなっているから、ここまで圧倒的な表現じゃないと、承認欲求の怖さって伝えられなかったんじゃないかな?っていうふうに私は思いました。私も正直あります、こういうこと。かまってほしくてちょっと大きく書いちゃうことあります。かわいそうって、ちょっと思われることによって注目されようとしたことあります。(笑)
上地 あははははは!
東 なんでこんなに言わなくちゃいけないんですか、私?(笑)
上地 あります、あります、めっちゃ言うやん!
東 シック・オブ・マイセルフですね、はい。(笑)
上地 でも大なり小なりあるから。心配されたい彼氏に、ちょっと切っただけで痛いっ!みたいなね、言っちゃったりすることあるじゃん。
荒木 承認欲求という話から入ると、私たち当然承認欲求ありますよね。それっていうのは、他者から認められる他者承認と、自分を認める自己承認の2種類あるんです。よくSNSで「いいね」をつけられることが社会から注目されること、いいことだと、最近の風潮とかね。まあ我々にもね、今東さんが言ったようにYouTuberだけじゃなくてあるんですけども、この業界であなたたちみたいに表に出ている人は、承認欲求なければ不向きというしかないですね。だめでしょうね。
東 エナジーでもあるんですよね。
荒木 私が、私がっていう、承認欲求はある程度必要です。程度次第なんですけども。
東 それが難しいんですよ、程度っていうことが。
荒木 そうなんだよね。それで僕、今回ですね、お二人にちょっと承認欲求が強い度を測定するアンケートをとってみたんですね。
上地 あ、さっきやりましたよ~。
東 え?さっきのそうだったんですか?怖い。
荒木 そう。その質問はですね、自分の気持ちを理解してほしいとか、話を盛ったりすることがあるとか、自分をすごいと思われたいと、そういう質問が20個あってですね、点数によって自己承認欲求が強いかどうかを見るのですが。え~、
東さん…なんと95点。
東 やだー!不名誉!
上地 あっはっはっは!
荒木 承認欲求の鬼!もうこれ以上…。
上地 鬼だ…(笑)
東 どうりで、『シック・オブ・マイセルフ』…あの映画なわけだ?(笑)
荒木 そうだね、これ近いですよね。
上地 やばいぞ、共感しちゃう?(笑)
東 かなり近いぞ。
荒木 はい。由真さん、25点
上地・東 えっ?!
東 低っ…。
荒木 低いね。
東 由真さん、ちゃんと答えた?
上地 ちゃ、ちゃんと答えたよ! 昔はあったけど、今は本当にないっていうところが結構ありました。
荒木 そうですね。ちょっと昔とは変わるところはあるでしょうね。ただちょっと低すぎるかな~。
上地 低いか?
荒木 私でさえ40点ありますから。
上地・東 あっはっはっは!
荒木 ということですね…。過去ね、ここまでひどい症状の承認欲求映画というのはなかったですけども。
東 ないよ、すごいですよ、これは。
荒木 まあね、単に性格の悪い女の話で済まされないで、病的なものも入っているので責められないんですけども。少なくとも誰もが持っている承認欲求をテーマにして、よくここまで作ったなという映画です。ショッキングな、ね。過去にもね、あるんですよ。『メインストリーム』というアンドリュー・ガーフィールドが主演した、ジア・コッポラの作品なんですけども、これはYouTuber。
東 あっ!ありましたね。観ました。
荒木 さらにこれも北欧の映画なんですね、『わたしは最悪。』というね、自分勝手な女の映画もあったんですけど、今回の映画はね、それに劇薬を混ぜたような毒がある作品でしたね。ということでね、僕なんかが観ると笑っていいのか笑っちゃいけないのかとか、ちょっと微妙なんですけど、現代社会の存在証明みたいなことも含めて自分がどうやったら幸せだと思えるのかというものを追求するひとつの、ある意味変な形への提示かなと思っているので、非常にそういう意味での興味はありました。
東 ホラーでちょっと怖いけども、幸せって何だろう?と普遍的なね、自分に問いただすような作品になっているんですよね。すごいんですよ。
荒木 たしかにそういう意味ではね、ちゃんとした哲学の上に作られた映画ですよね。
上地 はい。私がご紹介したのは10月13日から公開の『シック・オブ・マイセルフ』でした。10月公開の映画作品の中から、それぞれの推しをご紹介しました。
ぜひ映画館でチェックしてくださいね。映画評論家の荒木さん、映画ソムリエの東紗友美さん、ありがとうございました!
荒木・東 ありがとうございました!

■上地 由真
オーディションがきっかけで関西を中心に音楽活動開始。2007年シングル「shine day」などをリリース、以降全国各地でライブ活動やイベント参加。最近は女優としても活躍、舞台、映画などのジャンルにも進出。
■東 紗友美
映画ソムリエとしてTV・雑誌・ラジオなどで活動中。趣味は、映画ロケ地巡り。国内外問わず廻り、1年で100箇所以上ロケ地を訪れたことも。インスタグラムでも毎日映画に関する写真やコメントをほぼ毎日掲載中。
■荒木 久文
現在 複数のラジオ番組を中心に、新聞紙面 ニュースWEBなどに映画をテーマとした評論 批評 紹介 などの活動を展開。報知映画賞選考委員 ノミネート委員 日本映画ペンクラブ会員