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ハリウッド特急便
ジョニー・デップVSアンバー・ハードの名誉棄損裁判、判事がデップの反訴棄却の申し立てを却下
(2022年5月25日12:10)
ジョニー・デップ(58)とアンバー・ハード(36)の名誉棄損裁判で24日(現地時間)、デップ側がハードの1億ドル(約127億円)を請求する反訴を棄却する申し立てをしたが判事に却下された。
米誌「People」(電子版)によるとハードの反訴を退けるというデップの弁護団による申し立ては判事によって却下された。
デップは、2018年12 月に発表されたDV被害を告発するハードのワシントン・ポストのコラムで名誉を毀損されたとして、ハードに5000万ドル(約63億5000万円)の損害賠償を求めて提訴している。一方、ハードはデップが彼女の申し立てを「フェイク」「デマ」と主張して信用を落とすキャンペーンを行い、彼女のキャリアと評判を傷つけたとして”倍返し“の1億ドル(約127億円)の賠償金を求める反訴を起こした。
24日(現地時間)にデップ側はハードの反訴を棄却するよう主張した。デップの代理人ベン・チュー弁護士は、ハードの反訴の根拠になっている2020年にデップの弁護士アダム・ウォルドマンが行った3つの公的発言は、デップが「参加」または「承認」したことに直接結びつけることはできないと主張した。
また、チュー弁護士は、ハードがデップの実際の悪意を示していないと主張し、ウォルドマンが調査を行い、自身のコメントは真実だと信じていたと述べた。だが、ウォルドマンはこの裁判で証言したが、ほとんどの質問に対して弁護士クライアント特権(守秘義務)を発動して、その発言を否定していなかったという。一方、ハードは、ウォルドマンが自分の発言が掲載された新聞を彼女に投げつけたことがあると証言している。
ハードの代理人ベン・ロッテンボーン弁護士は、ハードの反訴を審理することを認めるべき理由を主張。「証拠によれば、ウォルドマン氏はデップ氏の代理人であっただけでなく、2人は共謀してハードがデマを作ったと偽り、彼らの理論や実現したいことを裏付けると信じる証拠を改竄した」と主張した。
その後、アズカラート判事はこの件に関する判決を読み上げ、反訴を取り消すというデップ側の申し立てを却下した。彼女は「陪審員は、ウォルドマン氏が、被告(ハード)を反対訴訟の相手として否定的に描くことによって原告(デップ)にサービスを提供するために、第三者にこれらの特定の発言をしたと推論することができる」と述べた。
■ハード側の、デップの名誉棄損訴棄却の申し立ても却下
一方、ハード側も裁判の序盤でデップの彼女に対する訴訟を却下するよう申し立てようとしたが、アズカラートはそれを却下した。
2020年11月、デップはイギリスのタブロイド紙「サン」が自分を「ワイフビーター」(妻虐待夫)と呼んでDVを報じた記事を名誉毀損でロンドンの裁判所に提訴した訴訟で敗訴している。ハードはロンドンの裁判所の法廷でデップと対決し、サン紙の記事の裏付けとなる証言をした結果、裁判所は同紙の記事を「おおむね真実」であると認定してデップは敗訴。2021年3月、上訴も却下された。
デップが米バージニア州の裁判所にハードを名誉棄損で提訴したのは、英国での裁判の判決が出る前の2019年3月だった。ハードは以前、どちらの訴訟もデップを虐待者とする疑惑が中心となっているため、英国での判決が米国での手続きに影響するはずだと主張し、デップのバージニア州での訴訟の棄却を求めた。しかし、アズカレート判事はデップに訴訟を遂行する権利を認め、ハードの訴えを却下していた。
デップは、さまざまな媒体を通じて生中継されるこの裁判で汚名を晴らすべく、「目標は真実」と証言している。彼は宣誓の上で、ハードや女性を殴ったことはないと主張し、ハードのDV被害主張のせいで、「何もかも失った」と主張している。
ハードは「自分の名前を晴らしたかった」と証言している。「それが私のすべてです。私にあるのは名前だけ。私には誠実さしかない。そして、それこそが、彼が私から奪おうとしたものなのです」と主張している。裁判は24日に最終弁論が行われ、陪審員の評決が下される。
■ジョニー・デップVSアンバー・ハードの”バトル“の経過
2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚した。
だがわずか1年3か月の結婚生活で、16年5月にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとして、あざができた顔写真を公開して波紋を広げた。デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが、デップが反撃して泥沼の裁判闘争が続いた。
2018年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラからカジモド(「ノートルダム・ド・パリ」の登場する醜悪な容姿の男)にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした米国の文化・社会構造を変える必要があるなどと訴えた。
その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハード本人を名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップが「サン」を訴えた名誉棄損裁判では、2人が法廷で直接対決して、壮絶な夫婦喧嘩やデップのベッドにウンチが置かれていた“ウンチ事件”、デップの指切断事件、デップのドラッグ使用歴、ハードの3P疑惑など前代未聞の暴露合戦が繰り広げられた。
2020年11月、判事は「サン」の記事は「おおむね事実」と認定して名誉棄損の訴えは棄却されデップは敗訴。控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。
2022年4月12日(現地時間)、ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップがハードに5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が米バージニア州フェアファックスの裁判所でスタート。双方のさまざまな証人が証言し約6週間続く予定。ハードは、デップが匿名のアカウントを使って誹謗中傷を繰り返したなどとして1億ドル(約125億円)を請求して”倍返し“の反訴をしている。