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「未体験ゾーンの映画たち」と「さんかく窓の外側は夜」のとっておき情報

(2021年1月27日11:30)

映画評論家・荒木久文氏が、「未体験ゾーンの映画たち」と「さんかく窓の外側は夜」のとっておき情報を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「GOOD DAY」(火曜午後3時、1月19日放送)の映画コーナー「アラキンのムービーキャッチャー」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。

2021年公開作品のとっておき情報
(映画トークで盛り上がった荒木氏㊧と鈴木氏)

鈴木   荒木さーん!こんにちは。よろしくお願いします。

荒木   はい、こんにちは。よろしくお願いします。
色んなところにコロナの影響が出ていて困ったもんですね。映画業界も大変ですがそれでも負けずに頑張っています。

鈴木   元気にいきましょう!

荒木   例年この時期の名物イベント、昨年も取りあげてご紹介しました。もう5,6年やってますよね。おなじみです。『未体験ゾーンの映画たち』

鈴木   出た、出た! 荒木   今年も始まります。『未体験ゾーンの映画たち2021』
東京地区は渋谷のヒューマントラストシネマ渋谷で行われます。

何回もご紹介したので分かってらっしゃる方が多いと思いますが、知らない方のために『未体験ゾーンの映画たち』とは何なのか、ちょっとご説明します。
日本では通常時 映画は年間1200本以上公開されているといわれています。去年は少し少なかったのですが…。それでも一般公開されていない作品が非常に多いんですね。それには多くの理由があります。有名な俳優さんが出演していないとか、出ていても宣伝予算が確保できないなどの理由で、日本での劇場公開が見送られてDVDだけ出版するもの、または全く公開されない、つまりお蔵入りしまう作品が多くあるわけです。

鈴木   もったいないね。

荒木   もったいないですよね。
ところが中には、これは超傑作!!と思われるものとか、マニアックな作品、変わった作品もたくさんあり、それらを配給会社やいろいろな関係筋が、「本当にもったいないから是非スクリーンで鑑賞して欲しい!」ということで開かれるのが、この言わば「もったいない映画祭」が『未体験ゾーンの映画たち』なんですね。
作品は全世界からきていて、全米や中国のNo.1ヒット作から低予算映画まで、あらゆるジャンルから選出された、今年は総計42本の日本未公開作品イコール未体験映画を一挙上映します。
いつも言っていますが、上質なB級映画というか、A級のB級映画が勢ぞろいですので、お好きな方は是非観ていただければと思います。
期間は今週の金曜日1月22日からですが、毎年コメディとかおバカ怪獣ものとか、バラエティに富んだ作品を紹介していますが、今日はとりあえず1月2月の作品からいくつかジャンル別に紹介しましょう。

「未体験ゾーンの映画たち」と「さんかく窓の外側は夜」のとっておき情報
「食われる家族」(© 2020 ACEMAKER MOVIEWORKS & B.A. ENTERTAINMENT. All Rights Reserved.)

まずはホラー・スリラー・サスペンス部門から行きますか。
2月5日から上映される『食われる家族』
韓国映画です。幼い頃に行方不明となった妹が25年の時を経て突如現れ、資産家の一家を支配していく…というサスペンスです。衝撃のラストが待ち受けているという作品です。

鈴木   面白そうじゃないですか。

荒木   面白そうですよね。

2月12日からは新感覚カルト系黒人ホラー!呪われた“髪の毛”が人々を襲う『バッド・ヘアー』という作品です。
TVの司会者を目指す黒人女性が「髪型を変えろ」と言われ、植毛で他人の髪の毛を植え付けます。その日から仕事は上手くいくようになるんですが、周りで人が消えるようになり、とうとう…。

鈴木   わー!これ観たい!これ観たい!

荒木   2月12日から、もう一本、イギリスのカルト・ホラー『ファブリック』。
赤いドレスを買ったシーラ。新しい出会いを求めてそれを着てデートに出かけたところ、不可解な出来事が次々起こり始めます…。

鈴木   なんか髪の毛だったり赤いドレスだったり…ねぇ?

荒木   呪われた赤いドレスを巡って憑りつかれた人々と怪気現象、殺しのドレスのお話です。

次は、このイベント お得意の動物パニックアクションものです。

2月5日からの公開の『ブラック・クローラー』というオーストラリアの映画です。 ダイちゃんが昨年のベスト映画の一つに選んだサメ・パニック映画『海底47m 古代マヤの死の迷宮』の製作チームが作ったんですよ。

鈴木   そりゃもう傑作に決まってますよ。

荒木   アニマルパニック・アクションなんですけど、巨大洞窟探検に出かけた若者たちを待ち受けていたのは、巨大で獰猛な人喰いワニのクロコダイルだった…。
嵐で水位は上昇、洞窟水没の危機がせまる中、極限のサバイバルがはじまる…。

鈴木   アカデミー賞あげたいくらいですね、ストーリー聞いただけで。

荒木   あはは。そうですね。まぁ同じパターンですよね。

2月19日からはめちゃくちゃ面白そうなんですけど、その名も『スカイ・シャーク』 ナチスのゾンビ軍隊がサメで世界を襲う、というちょっとわけのわからない設定です。 遺伝子改良したナチス第三帝国の極秘兵器・超人ゾンビの軍隊が、どういうわけか空を飛ぶジェット機のような、生きているサメに乗って、世界各国の都市を攻撃するんです。ちょっと想像つかないですよね。

鈴木   脚本家の方を連れてきたいですね。

荒木   生きているサメが空を飛ぶというのはどういうことなのかわかりませんけど、『スカイ・シャーク』、めちゃくちゃですけど観てみたいですよね。

そして最後はSF映画です。
1月22日公開の『アーカイヴ』という作品です。
あるロボット工学者が”アーカイヴ”というシステムで死んだ妻を保存し、妻のコピーアンドロイドを開発します。しかしそのアンドロイドの人工知能が暴走します。イギリスの映画ですが、舞台は日本のようですよ。

鈴木   ええ!?撮影、日本でやったんですか?

荒木   そうみたいですね。

2月5日からは『シンクロニック』という作品。
アンソニー・マッキーとジェイミー・ドーナンという注目キャストなんですけど、アンソニー・マッキーはあの『アベンジャーズ』のファルコンという羽の生えた黒人のお兄さんを演じている人ですよね。
そしてジェイミー・ドーナンはあの人気の『フィフティ・シェイズ』シリーズでハンサムな大金持ちのセクシー男を演じた人ですよね。両方とも人気スターなんですけど、こんな作品でも正式な日本公開をしなかったんですね。
『シンクロニック』はこの二人が主演のSFタイムスリラーです。
7分間だけ別の時代へ移動できる薬を使って、友人の娘を救うため様々な時代へタイムトラベルを繰り返す…というストーリーらしいです。

こんな感じでたくさんの作品が上映されます。

鈴木   面白そう!

荒木   たくさんあって迷っちゃいますよね。そんな人たちの参考にするために、主催者サイドがおすすめを5作品ほど出しています。その中でおすすめNo.1は1月29日から公開の『ウェイティング・バーバリアンズ 帝国の黄昏』という作品です。
ジョニー・デップとロバート・パティンソン、マーク・ライランスにノーベル賞受賞作家の原作という、ある帝国の運命を描く残酷で壮大なロマン大作です。

鈴木   ちゃんとしたハリウッド大作みたいな雰囲気じゃないですか!

荒木   そういう感じなんですよ。
ジョニー・デップはもう説明もいらないと思います。
ロバート・パティンソンは、昔『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』のセドリック・ディゴリー役です。また、ヴァンパイアの『トワイライト』シリーズの主演、ちょっと冷たそうな美青年ですよね。『TENET テネット』にも出ていました。そして再来年公開予定の『ザ・バットマン』の主役を張るらしいです。

鈴木   おおー!バットマンに合うね。

荒木   ちょっと四角い顏でね。
マーク・ライランスは、イギリスの舞台俳優・演出家です。
スティーヴン・スピルバーグ監督の『ブリッジ・オブ・スパイ』で、アカデミー助演男優賞をとっています。名優中の名優です。
この3人が、ノーベル賞受賞作家クッツェーの小説『夷狄を待ちながら』を映画化したものなので、大作なんですよ。
19世紀のアフリカ。帝国に支配された辺境の町で、「バーバリアン(野蛮人)が攻めてくる」という噂が囁かれていました。やがて治安維持のため中央政府から警察官僚が派遣され、激しい弾圧と拷問が始まり…というストーリーです。
ジョニー・デップがサディスティックな警察官僚役ですが似合っていますね。パティンソンがその部下の副官、ライランスが彼らと対立する地元民政官をそれぞれ演じています。2019年・第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。
私も見せていただきましたが、ナチスを思わせる架空の帝国の警察官僚とヒューマニティーな民政官の対比を、とても美しい砂漠の風景の中で描いています。絵作りも美しく、とても印象的です。

鈴木   公開しないっていうのはなんでなんだろう。

荒木   敵をでっち上げて支配を強めるという構図が、今の世界情勢にも通じるところがあって大変面白く見させていただきました。

ということで『未体験ゾーンの映画たち』。今日は1月から2月末までの作品をいくつかご紹介しましたが、3月公開の作品はまた2月の終わりにでもご紹介します。

鈴木   是非是非!

荒木   渋谷のヒューマントラストシネマ渋谷ですけど、5名様分の招待券をいただきましたので、少なくて申し訳ありませんがお好きな方は是非!

鈴木   ありがとうございます!

「未体験ゾーンの映画たち」と「さんかく窓の外側は夜」のとっておき情報
「さんかく窓の外側は夜」(公式サイトから)

荒木   時間があるのでもう一本、松竹の作品からご紹介します。
『さんかく窓の外側は夜』という作品で、1月22日公開です。
主演は岡田将生さんと志尊淳さんのダブル主演。
「霊(幽霊)が視える男」志尊君と「霊(幽霊)を祓える男」の岡田君の二人のコンビ、最近はバディーという言い方が一般的になってきましたが、この二人の活躍を描いたミステリーと言っていいでしょう。
志尊君演じる主人公は、書店で働いていたのですが、幼い頃から幽霊が視えてしまう特異体質に悩まされていました。ある日、彼は除霊師兼探偵の冷川(岡田君)に誘われ、一緒に除霊の仕事をすることになります。日常に潜む恐ろしくかつ不思議な現象を見つけては解決していくという霊感探偵バディの二人。
謎の女子高校生役で、あの元「欅坂46」の元エース・平手友梨奈さんが共演しています。 原作は130万部を超えるヤマシタトモコさんのミステリー・ホラー漫画です。不気味でエキセントリックです。
イケメン二人が絡んだり、岡田君が志尊君の方を抱くシーンなどはBLファンがキュンキュンきそうです。
かたや、女子高校生で「呪いをかける、呪い屋をしている」という平手友梨奈さんの存在感、前から思ってましたが、特に目力すごいです。不気味な呪い屋を上手く演じています。 とにかく変わった人物たちが変わったシチュエーション・関係性で絡んでくる作品なので、独特のテイストの作品です。
タイトルも独特ですよね。『さんかく窓の外側は夜』。

鈴木   ちょっと不思議だよね。

荒木   1月22日から公開の松竹の作品でした。

ということで今日は変わった映画がずらーっと並びました。

鈴木   この辺りで国内でしっかり「お正月映画だ!」と銘打つものと、実はジョニー・デップ主演でも公開されなかったりするものと、これは何の差なんですか?

荒木   やっぱり配給会社によって宣伝予算が組めないことが大きいでしょうね。それと、「日本ではこの内容はウケないだろうな」という判断ですね。あまりにも外国感覚が強かったりするとね。

鈴木   お国柄系ですか?

荒木   そうなんですよ。
今回のジョニー・デップの作品は難しいですよね。ノーベル賞の作家さんが書いた独特の雰囲気を持ってますので。だけど、本当に噛めば噛むほど味が出るような作品ですから非常に面白い作品だと私は思いました。

鈴木   ジョニー・デップって最高のハリウッドスターでありながら最高のカルトスターですよね。

荒木   そうですよね。非常に冷たい警察官僚をやっているんですが、演技しているのか分からないくらいでした。醸し出す雰囲気がすごいですね。

鈴木   荒木さん、本日もありがとうございました!

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。

■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。FM Fuji『GOOD DAY』(火曜午前10時)のパーソナリティなどに出演中。

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バイデン大統領が「ハリエット・タブマン20ドル札」発行計画を再始動

(2021年1月26日14:45)

地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」やイランとの核合意に復帰するなど就任早々次々にトランプ前大統領の政策を破棄しているバイデン大統領だが、さらに「ハリエット・タブマンの20ドル札」発行を再始動したという。オバマ大統領が2020年に新札に決定していたがトランプ前大統領が中止していた。

米サイト「TMZ」によると、バイデン新大統領のジェン・サキ報道官は、米国の紙幣が「我が国の歴史と多様性の反映」のために、有名な奴隷制廃止論者のハリエット・タブマンを新20ドル紙幣の顔にするオバマ政権時代に進められていた2016年のプロジェクトが再開されると明らかにした。

2016年4月、オバマ大統領の財務長官ジェイコブ・ルーは、第7代大統領アンドリュー・ジャクソンの20ドル札に代わってタブマン20ドル紙幣が発行されると発表した。しかし、その後、トランプ氏が大統領になり、ジャクソン・ファンである彼はタブマン20ドル紙幣の計画を却下。財務長官スティーブ・ムニューチンは、新しい紙幣は2028年まで発行されないだろうといいタブマンには言及しなかった。

ハリエット・タブマン(1820年または1821年 ~1913年3月10日)は、アメリカ合衆国メリーランド州出身の黒人奴隷、後に奴隷解放運動家、女性解放運動家になる。タブマンは黒人奴隷をひそかに逃がした地下組織の女性指導者のひとりとして知られ、古代エジプト時代に奴隷になっていたイスラエル人をカナンの地へ導いた、古代の預言者モーセになぞらえて「女モーセ」「黒人のモーセ」と呼ばれた。彼女の波乱の生涯を描いた映画「ハリエット」が昨年6月に日本でも公開された。
2016年、20ドル札のデザインに初めてアフリカ系アメリカ人として初めて採用され、2020年に新札となることに決定していたがトランプ氏が大統領になって中止された。白人至上主義者といわれるトランプ前大統領はアンドリュー・ジャクソンのファンだという。第7代米大統領アンドリュー・ジャクソン(1829年~1837年)は黒人奴隷農場主として知られ、主な作物は綿花で黒人奴隷によって栽培された。ジャクソンは生涯最大で300人の黒人(混血も含む)奴隷を所有したという。