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ハリウッド特急便
ジョニー・デップとアンバー・ハードが裁判の評決を受けて声明発表
(2022年6月2日13:20)
ジョニー・デップ(58)とアンバー・ハード(36)が名誉棄損裁判の評決を受けてそれぞれ声明を発表した。ハードは「女性にとっての後退」などとコメント。デップは「陪審員は私の人生を取り戻してくれた」と勝利宣言した。
デップとハードの名誉棄損裁判は1日(現地時間)、米バージニア州の裁判所の陪審が、デップがハードのコラムを名誉棄損として500万ドル(約63億円)の損害賠償を請求した訴訟について、名誉棄損を認めてハードに1500万ドル(約20億円)の賠償支払いを命じた。
一方、ハードがデップに1000万ドル(約130億円)の損害賠償を請求して反訴した名誉棄損の訴訟について、デップ側に200万ドル(約2億6000万円)の支払いを命じた。
■ハード「この評決は女性にとって後退」
米誌「People」(電子版)によると、ハードは声明で「今日感じた失望は言葉では言い表せないほどです。山のような証拠があってもなお、元夫の不釣り合いな権力、影響力、影響力に立ち向かうには十分でなかったことに心を痛めています」と述べた。
そして「この評決が他の女性にとって何を意味するのか、さらに失望しています。これは後退です」としたうえで「声を上げた女性が公に恥をかかされ、屈辱を受ける可能性があった時代へと時計の針を戻してしまうのです。女性に対する暴力は深刻に受け止めるべきという考えを後退させるものです」と主張した。
さらに「ジョニーの弁護士は、陪審員に言論の自由という重要な問題を見落とさせ、私たちがイギリスで勝利したほど決定的な証拠を無視させることに成功したと思います。この裁判に負けたことは悲しい。しかし、アメリカ人として持っていると思っていた、自由に公然と話すという権利を失ったようで、もっと悲しいです」と述べた。
ハードは法廷で陪審員の評決を聞きながら、明らかに打ちひしがれているように見えたという。
■デップ「陪審員は私の人生を取り戻してくれた」
デップはロンドンにいてこの日の評決裁判には出席していなかったが評決後に声明を発表した。
「6年前(ハードがデップのDVを告発して離婚を申請)、私の人生、子供たちの人生、身近な人たちの人生、そしてまた、何年も何年も私を支え、信じてくれた人たちの人生が、永遠に変わりました。全ては一瞬のうちに」としたうえで「虚偽の、非常に深刻な、犯罪的な疑惑がメディアを通じて私に向けられ、それが引き金となって、私に対する告発はなかったものの、憎悪に満ちたコンテンツが際限なく流布されたのです。それはすでにナノ秒のうちに2度も世界中を駆け巡り、私の人生とキャリアに激震を与えました。そして6年後、陪審員は私の人生を取り戻してくれたのです」と述べた。
そして「この訴訟は、私が直面する法的ハードルの高さと、私の人生にとって避けられない世界的な光景であることを十分承知した上で、相当考えた末の決断でした。この裁判を起こす目的は、最初から、結果がどうであれ、真実を明らかにすることでした。真実を語ることは、私の子どもたちや、これまで私を支えてくれたすべての人たちに対する義務だったのです。やっとそれを達成できたと思うと、安らかな気持ちになります」としている。
そしてデップは「世界中からの溢れんばかりの愛と、とてつもない支援と優しさに圧倒されています。真実を語ってもらおうとする私の探求が、私のような状況に陥った男女を問わず、支援する人たちが決してあきらめることなく、他の人たちの助けになることを願っています。また、裁判でもメディアでも、有罪が証明されるまでは無罪という立場に戻ることを願っています」と述べた。「ここまで来るのに自らの時間を犠牲にしてきた裁判官、陪審員、裁判所職員、保安官たちの崇高な仕事と、私が真実を伝えるために並外れた仕事をしてくれた、勤勉で揺るぎない弁護団に謝意を表したいです。最高のものはまだ来ておらず、新しい章がついに始まりました」といい、ラテン語でVeritas numquam perit. (真実は決して滅びない)」と締めくくった。
■ジョニー・デップVSアンバー・ハードの”バトル“の経過
2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚した。
だがわずか1年3か月の結婚生活で、16年5月にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとして、あざができた顔写真を公開して波紋を広げた。デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが、デップが反撃して泥沼の裁判闘争が続いた。
2018年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラからカジモド(「ノートルダム・ド・パリ」の登場する醜悪な容姿の男)にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした米国の文化・社会構造を変える必要があるなどと訴えた。
その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハード本人を名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップが「サン」を訴えた名誉棄損裁判では、2人が法廷で直接対決して、壮絶な夫婦喧嘩やデップのベッドにウンチが置かれていた“ウンチ事件”、デップの指切断事件、デップのドラッグ使用歴、ハードの3P疑惑など前代未聞の暴露合戦が繰り広げられた。
2020年11月、判事は「サン」の記事は「おおむね事実」と認定して名誉棄損の訴えは棄却されデップは敗訴。控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。
2022年4月12日(現地時間)、ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップがハードに5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が米バージニア州フェアファックスの裁判所でスタート。双方のさまざまな証人が証言し約6週間続く予定。ハードは、デップが匿名のアカウントを使って誹謗中傷を繰り返したなどとして1億ドル(約125億円)を請求して”倍返し“の反訴をしている。