-
ハリウッド特急便
アンバー・ハードの弁護士、TV出演し「賠償金13億円は払えない」「ハードは絶対に上訴する意向」
(2022年4月30日22:30)
アンバー・ハードの弁護士は2日(現地時間)、米NBCテレビの「TODAY」に出演して、「偏ったソーシャルメディアの熱狂が陪審員に影響を与えた」と非難し、ハードは約13億円の「損害賠償を支払うことができない」としたうえで「ハードは絶対に上訴する意向」と語った。
デップとハードの名誉棄損裁判で米バージニア州の裁判所の陪審員は1日(現地時間)、デップハードの手記を名誉棄損として500万ドル(約6億5000万円)を請求した訴訟で、ハードに1000万ドル(約13億円)の賠償金と500万ドル(約6億5000万ドル)の懲罰的損害賠償の支払いを命じた。バージニア州の法律では懲罰的賠償の上限は35万ドル(約4500万円)とされているため、実際の賠償額は1035万ドルになる。
一方ハードがデップに1億ドル(約130憶円)を請求して反訴した訴訟は、デップに対する賠償命令は200万ドル(約2億6000万円)にとどまった。
米「NBC NEWS」(電子版)によると、ハードの弁護士エレイン・ブレデホフト氏は、「TODAY」でジョニー・デップの名誉毀損裁判に関するソーシャルメディアの「偏ったおしゃべり」や書き込みが評決に影響を与え、法廷を「動物園」にしてしまったと述べた。
「この裁判を取り巻くソーシャルメディアの熱狂から、陪審員たちは逃れられなかったと考えている」としたうえで「どうしてそうならないの?彼らは毎晩家に帰ります。家族がいる。家族はソーシャルメディアを見ている。司法会議のため、途中で10日間の休みがあったんです。その影響を受けないわけがない」と語った。
彼女は、ソーシャルメディアの報道を「恐ろしい」と言った。6週間の裁判の間、TikTokやTwitterでは圧倒的にデップを支持するような書き込みがあった。
「まるでローマのコロッセオみたいでしょ。この裁判をどう見ていたのか。私は法廷にカメラを持ち込むことに反対でしたし、この事件のデリケートな性質を考慮して、そのことを公言し、反対を主張しました。でも、そのせいで(TV中継などで)動物園のような雰囲気になってしまいました」とブレッドホフト氏。
そして評決後、ハードが彼女に言った最初の言葉について説明した。「彼女が最初に言ったことのひとつは、『そこにいるすべての女性たちに、とても申し訳ない。これは、法廷の内外にいるすべての女性にとっての後退です』。彼女はその重荷を感じているのです」。
この判決は「恐ろしいメッセージ」を送っていると述べた。「携帯電話を取り出して、配偶者や大切な人に殴られているところをビデオに撮らない限り、事実上、信じてもらえない」と付け加えた。
そして「ハードは1日に陪審員によって下された高額な評決をカバーする手段を持っているか」と聞かれて、「いやいや、絶対にありません」と語った。ハードは「絶対に上訴するつもりである」と語った。
「彼女はそのためにいくつかの優れた根拠を持っている」とブレッドホフト氏は述べ、2年前にイギリスでデップのハードに対するDVを報じた英紙「サン」の報道を名誉毀損で訴えたが敗訴したことに関連して、「入ってこなかった証拠がたくさんあった」と指摘した。
ハードはデップに1億ドルを求めて反訴した。反訴の中心は、2020年にデップの元弁護士アダム・ウォルドマンが英紙デイリー・メール紙に行った3つの発言で、その中でハードの虐待の申し立てを「デマ」と表現していることだった。陪審員は、デップがウォルドマンを通じて、ハードの名誉を傷つけたと判断。賠償金として200万ドルをハードに支払うよう命じたが、懲罰的賠償金はゼロだった。
ブレッドホフト氏は、この事件は「二つの裁判の物語」だと語った。
「ジョニー・デップは同じ事件(DV疑惑)で英国に訴えを起こし、そっちの方が立証責任が簡単だったのです」と彼女は言う。「裁判所は、デップ氏がアンバーに対して性的暴力を含む少なくとも12の家庭内暴力を行ったと認定したのです。では、デップのチームはこのことから何を学んだのだろうか。アンバーを悪者にし、証拠を隠滅することだった」と彼女は言う。「この事件では、イギリスの事件で抑圧された膨大な量の証拠があったんです。そして、英国のケースでは、アンバーが勝った。デップ氏は負けたのです」と語った。
■ジョニー・デップVSアンバー・ハードの”バトル“の経過
2012年に「ラム・ダイアリー」で共演したのがきっかけで恋愛関係になり、同年デップは長年のパートナーだったヴァネッサ・パラディ(45)との破局を発表。14年にハードと婚約して翌年2月に結婚した。
だがわずか1年3か月の結婚生活で、16年5月にハードが離婚を申請。酒に酔ったデップからDVを受けていたとして、あざができた顔写真を公開して波紋を広げた。デップはDVを否定していたが17年8月にデップが700万ドル(約7億6300万円)を支払うことで離婚が成立した。これで一件落着かと思われたが、デップが反撃して泥沼の裁判闘争が続いた。
2018年10月、デップが雑誌「GQ」(英国版11月号)のインタビューで、ハードに対するDVを全面否定して、ハードのDV告発で「シンデレラからカジモド(「ノートルダム・ド・パリ」の登場する醜悪な容姿の男)にされた」などと激しく非難。さらにハードが同年12月ワシントン・ポストに手記を寄せて、(デップの名前は出さず)DVを告発したら脅され、決まっていた役を降ろされるなど報復されたと主張して、そうした米国の文化・社会構造を変える必要があるなどと訴えた。
その後デップが「ワイフ・ビーター」(妻虐待夫)と報じた英紙「サン」を訴え、さらにワシントン・ポストに手記を書いたハード本人を名誉棄損で提訴した。ロンドンの裁判所で行われたデップが「サン」を訴えた名誉棄損裁判では、2人が法廷で直接対決して、壮絶な夫婦喧嘩やデップのベッドにウンチが置かれていた“ウンチ事件”、デップの指切断事件、デップのドラッグ使用歴、ハードの3P疑惑など前代未聞の暴露合戦が繰り広げられた。
2020年11月、判事は「サン」の記事は「おおむね事実」と認定して名誉棄損の訴えは棄却されデップは敗訴。控訴も棄却されデップの敗訴に終わった。
2022年4月12日(現地時間)、ハードが2018年12月に米紙ワシントン・ポストに寄稿したコラムで名誉を棄損されたとしてデップがハードに5000万ドル(約62億5000万円)の巨額賠償金を請求した訴訟が米バージニア州フェアファックスの裁判所でスタート。双方のさまざまな証人が証言し約6週間続く予定。ハードは、デップが匿名のアカウントを使って誹謗中傷を繰り返したなどとして1億ドル(約125億円)を請求して”倍返し“の反訴をしている。
2022年6月1日(現地時間)、米バージニア州の裁判所の陪審が、デップがハードのコラムを名誉棄損として500万ドル(約63億円)の損害賠償を請求した訴訟について、名誉棄損を認めてハードに1500万ドル(約20億円)の賠償支払いを命じた。一方、ハードがデップに1000万ドル(約130億円)の損害賠償を請求して反訴した名誉棄損の訴訟について、デップ側に200万ドル(約2億6000万円)の支払いを命じた。