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映 画

ハロウィン関連映画と「愛にイナズマ」のとっておき情報
(2023年11月5日9:30)
映画評論家・荒木久文氏がハロウィン関連映画と「愛にイナズマ」のとっておき情報を紹介した。
トークの内容はFM Fuji「Bumpy」(月曜午後3時、10月30日放送)の映画コーナー「アラキンのムービー・ワンダーランド」でパーソナリティ・鈴木ダイを相手に話したものです。
鈴木 よろしくお願いします。
荒木 あすはハロウィンですが…。正式には明日になるのかな?盛り上がっていますけど。渋谷はですね、私 渋谷が事務所なので毎日行ってるんですが、10月下旬に渋谷の駅前に「渋谷はハロウィンイベントの会場ではありません」て書かれた看板がでかでかと出てるんですよ。
鈴木 そのトーンで行くのかな?渋谷は。
荒木 でもね、ちょっと考えてみたら4.5年前にはですね、同じところに「渋谷プライド、渋谷ハロウィン」って、ハロウィンは渋谷の誇りだ。みたいなね、そういう風に書いてありましたですよ。覚えていますよ。
鈴木 あはははは。コロナもあったしね、いろいろね。
荒木 4年経つと、いろいろあってコロナに変わっちゃうんですからね。ホント大変です(笑)。池袋とか他の街、東京とか吉祥寺とか人形町とかね、池袋は昨日だったかな?「池袋、ハローコスプレパレード」みたいなのやっていましたね。
鈴木 人形町にハロウィンって、合うような、合わないような…。面白いね、人形町にハロウィンって。
荒木 そうですよね。あとは神奈川、あと二子玉川とかあるんですけど。
山梨では1週間早かったですね。10月29日、先週ですか、22日に「ハロウィンパーティー フルーツ公園」。
甲府では先週の土曜日ですかね、28日50回信玄公祭りの付帯イベント記念パレード「ハロウィン仮装パレード」かな。他にも富士吉田の富士急ハイランドとかやっていますけどね。
鈴木 そうだ。そうだ。
荒木 毎年ハロウィンを盛り上げる仮装の参考にしてもらおうと、この年のこの時期に公開されるハロウィン映画やホラー映画をご紹介しているんですが。
鈴木 いいねー!
荒木 今年はないです!
鈴木 えっ!? 1本も無いの!?
荒木 はい(笑)。ご存じの「ハロウィン」って、ジョン・カーペンター監督1978年に発表した、その名も『ハロウィン』なんですが、ブギーマンことマイケル・マイヤーズですよね。2018年に発表された『ハロウィンKILLS』があって、今年4月に『ハロウィン THE END』という3部作完結編が出ちゃったんですね。この番組でもご紹介したかな?
鈴木 した!荒木さん話した。
荒木 で、今の時期、全くない!
鈴木 それはちょっと寂しいなあ。
荒木 そうですよね。
そこで今年は映画とは直接関係ないのですが・・、提案というか、もうハロウィンではなくて、その先を見据えた、ポストハロウィン、ハロウィンの次はコレがくる!というのをご紹介したいんです。
鈴木 (拍手)さすが!先を見る男ですね!
荒木 老い先短いから先を見るんです(笑)。
それは「死者の日」。死んだ人の、「死者の日」です。
この死者の日は、万霊節(ばんれいせつ)と呼ばれて、カトリックでは全ての死者の魂のために祈りを捧げる日です。いわば日本のお盆にあたる日ですよね。
今年は11月1日と2日が「死者の日」なんです。
日本ではまだあまりなじみがないのですが、映画の関連で言うと、ピクサー映画のアニメ『リメンバー・ミー』。これとってもいい映画でしたよね。ココっていうおばあちゃんの名前…。世界興行収7.8億ドルで、本当に大ヒットして、日本でも大ヒットしました。そして有名なのは、2015年の『007 スペクター』。
鈴木 スペクター!冒頭シーンからそうでしたよね。
荒木 冒頭シーン。ボンドが巨大なガイコツ人形と死者に仮装したパレードに紛れ込むって、有名なシーンありましたよね。
鈴木 ホテルに女と2人で、部屋に入ってくってやつでしょ!
荒木 そういうこと、よく覚えてますね。ところが、当時は「死者の日」は、あったんですけど、このパレードは現実には存在してなかったんです。
鈴木 えっ!?そうなんですか!
荒木 そう、映画撮影のためにだけ行われた作ったパレードだったんですね。
鈴木 えっ!?凄いリアリティあるデカいパレードじゃないですか。
荒木 デカかったですよね。
当時 映画が公開されると、メキシコ政府のもとに世界中から「いつ、どこに行けばあのパレードを見られるのか」っていう問い合わせが殺到したんですって…。
パレードが実在しないと知ると、みんながっかりしたそうなんです。そこでメキシコ政府は、翌年メキシコシティのレフォルマ通りで初めてパレードしたんですよ。
鈴木 いやー!ボンドって凄いな!!
荒木 凄いよね!で、16万人集まったんですって。
鈴木 それも、メキシコ人たち凄いな!!
荒木 で、2017年に100万人、2018年には200万人。
鈴木 何それ!ワールドカップより凄いじゃないですか!
荒木 凄いんですよ!で、何百万人もの観光客を世界的イベントへパレードに発展したんですね。
鈴木 メキシコだって、そりゃ潤いますよね、お金。
荒木 潤いますよー。ま、コロナで中断したらしいけど、また今やるんですよね。4日かな?今年は。今や、何百万人もの世界的イベントになっているというんで、映画の影響力っていうか、ボンドの影響力ってすごいですね。ということで、今後広まっていくイベントは「死者の日」ですよ!
鈴木 だけど、日本語で「死者の日」イェーイ!っていうのもどうなんですかね?
荒木 そうなんですよ、ネーミングなんですよ。問題は…。
鈴木 「死者の日」、そのまま翻訳では駄目だと思うよ。
荒木 そうなんですよ。これがポイントだと思うんですよ。
「死者の日」といっても、日本のお盆とは違って陽気ですよね。マリーゴールドを飾って、マリアッチ隊が音楽演奏して、いわゆるカラフルな祭壇とか、ガイコツの仮装とかね。
鈴木 まさしくデットマンズ・ウォーキングですよね、雰囲気は。
荒木 そうなんですよ。ガイコツは日本では、不吉なんですけど、メキシコでは、皮膚の下はみんなガイコツだから、全ての人の将来の姿であるという考えがあるんですって。
鈴木 あんまり嫌味っぽくないし、嫌がってないですよね、多分。
荒木 言われてみれば、その通りと思うんですけどね。祭壇に祭るガイコツの人形もカラフルで可愛いですしね。
鈴木 「ガイコツの日」っていう日本語どうなの?
荒木 そのあたりがテーマでしょうね。
鈴木 「ドクロデー」ってのも、何かちょっと変だし(笑)。
荒木 日本でも、ハロウィンと死者の日を関連付けたイベントを、何年か前からやっていますよね。まだハロウィンに比べると、商店とかお店とかでチラッとやっているだけなんですが、
例えば、東京では11月3日、ROBIN CLUB表参道というところでイベントやりますね。メキシコ料理・飲料も用意されていて、メーキャップサービスもあるみたいです。千代田区六番町のインスチュチィートというところでは、本場のメキシコの大使館がアドバイスにはいって本格的に行われるそうです。
…で、耳より情報なんですけど、実は先のことで恐縮ですが、来年の11月の死者の日、なんと山梨県内のある施設で大々的なイベントやパレードが計画されているようなんですよ。
鈴木 ちょっ、ちょっと待って!ある施設って、みんな山梨県民は知ってます?
荒木 知ってます。知ってます! まだ言えないんですが、来年は派手に11月あるらしいんで・・。喋れるようになったら、またお知らせします。
鈴木 最近の荒木さん、喋れないこと多すぎだね。
荒木 そうなんですよ、もう…不自由で、申し訳ないです。
鈴木 あはははは。

荒木 ということで、ハロウィンと死者の日の無駄話ばっかりしましたが、
最後に1本、「愛にイナズマ」という公開中の作品です。
主人公は松岡茉優さんが演じています。彼女は映画大好きでずっと映画に打ち込んできたんですけど、幼いころからの夢だった映画監督としてのデビューが実現しそうなところから、もう盛り上がってしまって、超気合いが入っているところから、なんと卑劣な映画プロデューサーにコロッと騙されて大切な客もギャラももらえず、映画は没となってしまうんです。
鈴木 ありそうな話だなあ。
荒木 ただ、黙ってなくて静かに怒りをたぎらせて闘う事を誓った、茉優さん演じるところの花子さんはですね、自分の家族の力を借りて、大切な映画の夢を取り戻すべく反撃を開始するというお話です。
鈴木 花子さん強いなあ。
荒木 花子さんの父を佐藤浩市さん、お兄ちゃんを池松壮亮さん、若葉竜也さんが演じていますけど、いろんな旬の俳優さんいっぱい出ます。監督は、石井裕也監督なんです。
「舟を編む」「茜色に焼かれる」の。彼が、オリジナル脚本で描いたコメディドラマなんですけど、石井監督の作品って言うと、最近10月の頭から公開されている宮沢りえ主演の、実際に起きた障碍者殺傷事件をモチーフにした「月」という、これメチャクチャはっきり言ってシリアスで暗いドラマですが、凄い力作です。こちらも公開されているんですが、「愛にイナズマ」はちょっと「月」とは違って。
鈴木 対比してますよね?違います?
荒木 笑いとシリアスが秒単位で入れ替わるような、クスッと笑えるシーンがたくさんあります。山あり谷ありの面白い作品なんで…。
「愛にイナズマ」っていうタイトルも面白いですし、こちらも石井監督の名声っていうか、本来こっちなのかな、そういうところも観ていただくと有難いと思います。エレファントかしましの名曲も、主題歌になっていますので。
鈴木 それ、かけようよ。
荒木 ということで、今日はハロウィンと死者の日の無駄話と映画を1本ご紹介しました。
鈴木 無駄話になってないよ(笑)。ちゃんとしてる(笑)。ありがとうございます。

■荒木久文(あらき・ひさふみ)1952年生まれ。長野県出身。早稲田大学卒業後、ラジオ関東(現 RFラジオ日本)入社。在職中は編成・制作局を中心に営業局・コンテンツ部などで勤務。元ラジオ日本編成制作局次長。プロデューサー・ディレクターとして、アイドル、J-POP、演歌などの音楽番組を制作。2012年、同社退職後、ラジオ各局で、映画をテーマとした番組に出演。評論家・映画コメンテイターとして新聞・WEBなどの映画紹介・映画評などを担当。報知映画賞選考委員、日本映画ペンクラブ所属。
■鈴木ダイ(すずき・だい)1966年9月1日生まれ。千葉県出身。日本大学芸術学部演劇学科卒。1991年、ボストン大学留学。1993年 パイオニアLDC株式会社(現:ジェネオン・ユニバーサル)入社 し洋楽宣伝プロモーターとして勤務 。1997年 パーソナリティの登竜門であるJ-WAVE主催のオーディション合格 。
現在は、ラジオパーソナリティとして活躍するほか、ラジオ・テレビスポット、CMのナレーション、トークショー司会やMCなど、幅広く活躍。 古今東西ジャンルにこだわらないポピュラー・ミュージックへの傾倒ぶり&造詣の深さ、硬軟交ぜた独特なトーク、そしてその魅力的な声には定評がある。